ハードウェア用語集【中級】
キャッシュメモリ、PCIe、RAID、オーバークロック、冷却システムなど、実務で必要な中級レベルの重要な用語を学習できます
用語数統計
ハードウェア中級用語一覧
15個の中級用語を体系的に解説
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キャッシュメモリ
(キャッシュメモリ) Cache Memory 中級CPUと主記憶装置の間に配置される高速メモリ。頻繁にアクセスされるデータを一時保存して処理速度を向上させる。キャッシュメモリは、CPUが高速にデータにアクセスできるように設計された小容量・高速メモリです。L1、L2、L3キャッシュの階層構造を持ち、CPUに近いほど高速で小容量となります。ヒット率を向上させることで、システム全体の性能向上に大きく貢献します。
例: L1キャッシュ, L2キャッシュ, L3キャッシュ, キャッシュヒット率 -
PCIe
(ピーシーアイエクスプレス) PCI Express 中級高速シリアル通信規格。グラフィックカードやストレージデバイスなどの拡張カードをマザーボードに接続するインターフェース。PCIe(PCI Express)は、従来のPCIバスに代わる高速シリアルインターフェースです。レーン数(x1、x4、x8、x16)とバージョン(Gen3、Gen4、Gen5)により転送速度が決まります。GPU、NVMe SSD、ネットワークカードなど様々な拡張カードの接続に使用されています。
例: PCIe x16スロット, PCIe Gen4, NVMe SSD, GPU接続 -
RAID
(レイド) Redundant Array of Independent Disks 中級複数のディスクを組み合わせて1つの論理ドライブとして扱う技術。冗長性や性能向上を目的とする。RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のハードディスクを組み合わせて信頼性や性能を向上させる技術です。RAID 0(ストライピング)、RAID 1(ミラーリング)、RAID 5(分散パリティ)、RAID 10(1+0)など様々なレベルがあり、用途に応じて選択します。
例: RAID 0, RAID 1, RAID 5, RAID 10, ストライピング, ミラーリング -
オーバークロック
(オーバークロック) Overclocking 中級CPUやGPUなどのクロック周波数を定格以上に引き上げる技術。性能向上が期待できるが発熱や安定性に注意が必要。オーバークロックは、プロセッサの動作周波数を製造元の定格値以上に設定して性能を向上させる技術です。CPU、GPU、メモリなどに適用でき、ゲーミングや計算集約的タスクで効果的です。ただし、発熱増加、消費電力増大、システム不安定化のリスクがあるため、適切な冷却と慎重な設定が必要です。
例: CPU OC, GPU OC, メモリOC, クロック倍率, 電圧調整 -
冷却システム
(レイキャクシステム) Cooling System 中級コンピュータ内部の熱を効率的に排出するシステム。空冷、水冷、液体金属など様々な方式がある。冷却システムは、CPU、GPU、チップセットなどの発熱部品から熱を効率的に除去するシステムです。空冷(ファン+ヒートシンク)、水冷(AIO、カスタムループ)、受動冷却など様々な方式があります。適切な冷却により安定動作と寿命延長を実現します。
例: CPUクーラー, AIO水冷, カスタム水冷, サーマルペースト, ケースファン -
電源ユニット
(デンゲンユニット) PSU (Power Supply Unit) 中級交流電力を直流電力に変換してコンピュータ各部品に供給する装置。80 PLUS認証など効率性も重要。電源ユニット(PSU)は、家庭用交流電源をコンピュータが必要とする直流電源に変換する重要なコンポーネントです。容量(ワット数)、効率性(80 PLUS認証)、モジュラー設計、保護機能などが選択のポイントとなります。システムの安定性と省エネ性に直結します。
例: 80 PLUS認証, モジュラーPSU, 定格出力, OVP保護, ATX規格 -
チップセット
(チップセット) Chipset 中級マザーボード上でCPUと各種コンポーネント間の通信を制御するICの集合。ノースブリッジとサウスブリッジに分かれる場合もある。チップセットは、CPU、メモリ、ストレージ、拡張スロット、I/Oポートなどの間でデータ通信を制御する重要なコンポーネントです。Intel(Z、H、Bシリーズ)やAMD(X、Bシリーズ)から様々なグレードが提供され、対応機能や拡張性が異なります。マザーボードの機能と性能を決定する要素です。
例: Intel Z790, AMD X670E, PCIeレーン数, USB3.2, SATA3.0 -
VRAM
(ブイラム) Video RAM 中級グラフィック処理専用のメモリ。フレームバッファやテクスチャデータを格納し、GPU の描画性能に直結する。VRAM(Video RAM)は、グラフィックカード上に搭載されるグラフィック処理専用メモリです。現在主流のGDDR6やHBM(High Bandwidth Memory)は、高い帯域幅で GPU とデータを交換します。解像度、テクスチャ品質、フレームレートに大きく影響するため、ゲーミングや3DCG制作では重要な要素です。
例: GDDR6, HBM, フレームバッファ, テクスチャメモリ, メモリ帯域幅 -
NVMe
(エヌブイエムイー) Non-Volatile Memory Express 中級PCIe接続のSSD向け高速通信プロトコル。SATA接続と比較して大幅な性能向上を実現。NVMe(Non-Volatile Memory Express)は、フラッシュメモリストレージ向けに最適化された高速通信規格です。PCIe接続により、従来のSATA SSDと比較して大幅な読み書き速度向上を実現します。OS起動、アプリケーション読み込み、ファイル転送が劇的に高速化されます。
例: M.2 NVMe SSD, PCIe Gen4, シーケンシャル読み書き, ランダムアクセス -
ECC メモリ
(イーシーシーメモリ) Error-Correcting Code Memory 中級データエラーを自動検出・修正する機能を持つメモリ。サーバーやワークステーションで信頼性向上のために使用。ECC(Error-Correcting Code)メモリは、1ビットエラーの自動修正と2ビットエラーの検出が可能な高信頼性メモリです。宇宙線や電気的ノイズによるメモリエラーを防ぎ、システムクラッシュやデータ破損を回避します。サーバー、ワークステーション、重要な計算処理で必須の技術です。
例: シングルビット修正, ダブルビット検出, パリティビット, サーバーメモリ -
USB-C
(ユーエスビーシー) USB Type-C 中級小型で表裏の区別がないUSBコネクタ。データ転送、映像出力、給電を1つのケーブルで行える多機能インターフェース。USB-C(Type-C)は、従来のUSBコネクタを置き換える次世代インターフェースです。リバーシブル設計、USB 3.2/4.0対応、Thunderbolt 3/4サポート、USB Power Delivery(PD)による最大100W給電、DisplayPort Alternate Modeによる4K映像出力など、多彩な機能を1つのポートで実現します。
例: USB 4.0, Thunderbolt 4, USB PD, DisplayPort Alt Mode, 100W給電 -
Thunderbolt
(サンダーボルト) Thunderbolt 中級IntelとAppleが共同開発した高速インターフェース規格。データ転送、映像出力、デイジーチェーン接続が可能。Thunderboltは、PCIeとDisplayPortを統合した高速インターフェース技術です。Thunderbolt 4では最大40Gbpsの転送速度を実現し、2台の4Kディスプレイ出力、最大6台のデバイスのデイジーチェーン接続が可能です。外付けGPU、高速ストレージ、プロ向け映像機器の接続に威力を発揮します。
例: Thunderbolt 4, 40Gbps転送, デイジーチェーン, eGPU接続, 4K出力 -
UEFI
(ユーイーエフアイ) Unified Extensible Firmware Interface 中級従来のBIOSに代わる新しいファームウェアインターフェース。高速起動、大容量ディスク対応、セキュア機能を提供。UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、従来のBIOSを置き換える現代的なファームウェア規格です。2TB以上のディスク(GPT)対応、セキュアブート、高速起動、グラフィカルインターフェース、ネットワーク機能などの先進機能を提供し、現代のコンピュータシステムに必要な機能を実現しています。
例: セキュアブート, GPTパーティション, 高速起動, UEFI設定画面 -
TDP
(ティーディーピー) Thermal Design Power 中級プロセッサが通常動作時に発生する熱量の設計上の目安値。冷却システム設計や電源容量決定の指標となる。TDP(Thermal Design Power)は、CPUやGPUが通常の動作で発生する熱量をワット数で表した設計指標です。実際の消費電力とは異なり、冷却システムの設計基準として使用されます。TDPが高いほど高性能だが発熱も大きく、適切な冷却が必要になります。省電力設計では低TDPが重要です。
例: 65W TDP, 125W TDP, 省電力CPU, 冷却システム設計 -
XMP
(エックスエムピー) eXtreme Memory Profile 中級Intelが開発したメモリオーバークロック用プロファイル。メモリの定格以上の動作設定を簡単に適用できる。XMP(eXtreme Memory Profile)は、高性能メモリモジュールに予め設定されたオーバークロックプロファイルです。JEDEC標準を上回る動作周波数、低レイテンシ、最適化されたタイミング設定を自動適用でき、手動設定の複雑さを回避できます。ゲーミングや高性能ワークステーションで性能向上に貢献します。
例: DDR4-3200, CL16-18-18-38, メモリ周波数, レイテンシ設定