クラウド応用用語集

マルチクラウド、エッジコンピューティング、ゼロトラスト、FinOps、MLOpsなど、最先端のクラウド技術とアーキテクチャパターンを習得できます

クラウド応用レベルについて

マルチクラウド戦略、エッジコンピューティング、高度なセキュリティフレームワーク、FinOps、MLOps、新興技術など、次世代のクラウドアーキテクチャとエンタープライズレベルの技術を学習します。

用語数統計

総用語数: 94 初級: 3 中級: 69 上級: 22

クラウド応用用語一覧

53個の応用レベル用語を詳細解説付きで紹介

  • マルチクラウド

    (マルチクラウド) Multi-Cloud 上級
    複数のクラウドプロバイダーのサービスを組み合わせて利用する戦略。ベンダーロックイン回避、コスト最適化、可用性向上を実現。

    マルチクラウド(Multi-Cloud)は、AWS、Azure、GCPなど複数のクラウドプロバイダーのサービスを戦略的に組み合わせて利用するアプローチです。各プロバイダーの強みを活かし、ベンダーロックインの回避、コスト最適化、災害復旧、地理的分散、コンプライアンス要件への対応を実現します。ただし、管理の複雑さや統合の課題も存在します。

    例: ベンダーロックイン回避, コスト最適化, 災害復旧, 地理的分散
    複数プロバイダー リスク分散 最適化 戦略的
  • エッジコンピューティング

    (エッジコンピューティング) Edge Computing 上級
    データ生成場所の近くでデータ処理を行う分散コンピューティングパラダイム。レイテンシ削減、帯域使用量削減、リアルタイム処理を実現。

    エッジコンピューティング(Edge Computing)は、データの生成場所に近い場所(エッジ)で計算処理を行う分散コンピューティング手法です。IoTデバイス、自動運転車、AR/VR、リアルタイム分析などで、低レイテンシ、帯域幅の節約、プライバシー保護、可用性向上を実現します。5G、MEC(Multi-access Edge Computing)との組み合わせで更なる発展が期待されています。

    例: MEC, CDN, IoTエッジ, リアルタイム分析
    分散処理 低レイテンシ リアルタイム IoT
  • サーバーレス

    (サーバーレス) Serverless 上級
    サーバー管理をクラウドプロバイダーに委託し、開発者がコードのみに集中できる実行モデル。使用した分だけ課金され、自動スケーリングが可能。

    サーバーレス(Serverless)は、サーバーのプロビジョニング、管理、スケーリングをクラウドプロバイダーが自動で行い、開発者がビジネスロジックの実装に集中できる実行モデルです。FaaS(Function as a Service)、BaaS(Backend as a Service)が主な形態で、イベント駆動、従量課金、自動スケーリング、高可用性が特徴です。

    例: AWS Lambda, Azure Functions, Google Cloud Functions, イベント駆動
    サーバー不要 従量課金 自動スケール イベント駆動
  • クラウドネイティブ

    (クラウドネイティブ) Cloud Native 上級
    クラウド環境の特性を最大限活用するために設計・構築されたアプリケーションとアーキテクチャ。コンテナ、マイクロサービス、DevOpsを基盤とする。

    クラウドネイティブ(Cloud Native)は、クラウドコンピューティングの利点(スケーラビリティ、弾力性、高可用性)を最大化するために一から設計されたアプリケーション開発・運用アプローチです。コンテナ化、マイクロサービスアーキテクチャ、宣言的API、CI/CD、DevOpsプラクティスを組み合わせ、迅速な開発・デプロイ・運用を実現します。

    例: Kubernetes、Docker、マイクロサービス、CI/CD、12-Factor App
    設計思想 スケーラビリティ コンテナ マイクロサービス
  • ハイブリッドクラウド

    (ハイブリッドクラウド) Hybrid Cloud 上級
    オンプレミスインフラとクラウドインフラを統合し、データとアプリケーションの移行性を確保した統合環境。

    ハイブリッドクラウドは、プライベートクラウド(オンプレミス)とパブリッククラウドを技術的に統合し、データとアプリケーションの移行性を確保した環境です。機密データは内部で管理し、スケーラビリティが必要な処理はパブリッククラウドで実行するなど、各環境の長所を活用できます。統一管理、セキュリティ、コンプライアンスが重要な考慮事項です。

    例: AWS Outposts、Azure Stack、Google Anthos、VMware Cloud
    統合環境 柔軟性 データ移行 コンプライアンス
  • FinOps

    (フィンオプス) Financial Operations 上級
    クラウド財務管理の実践手法。エンジニアリング、財務、ビジネスチームが協働してクラウドコストを最適化し、ビジネス価値を最大化する。

    FinOps(Financial Operations)は、クラウドの変動コスト管理に特化した実践手法です。エンジニアリング、財務、ビジネスの各チームが協働し、クラウド利用の可視化、コスト配分、最適化を継続的に実行します。リザーブドインスタンス、スポットインスタンス、右サイジング、タグ付け戦略などを駆使して、速度・品質・コストのバランスを取ります。

    例: コスト配分、リザーブドインスタンス、右サイジング、クラウド予算管理
    コスト最適化 財務管理 可視化 チーム連携
  • Infrastructure as Code

    (インフラストラクチャアズコード) IaC 上級
    インフラストラクチャをコードで定義・管理する手法。手動設定を排除し、バージョン管理、自動化、再現性を実現する。

    Infrastructure as Code(IaC)は、サーバー、ネットワーク、ストレージなどのインフラストラクチャをコードで定義・管理する手法です。Terraform、AWS CloudFormation、Azure Resource Manager、Ansibleなどのツールを使用し、インフラの自動デプロイ、バージョン管理、変更追跡、環境の一貫性を実現します。DevOpsの重要な構成要素として、開発と運用の効率化に貢献します。

    例: Terraform, CloudFormation, Ansible, Pulumi
    自動化 バージョン管理 DevOps 再現性
  • Service Mesh

    (サービスメッシュ) Service Mesh 上級
    マイクロサービス間の通信を管理するインフラストラクチャレイヤー。サービス間通信の制御、監視、セキュリティを提供する。

    Service Mesh(サービスメッシュ)は、マイクロサービスアーキテクチャにおいて、サービス間通信を管理する専用のインフラストラクチャレイヤーです。プロキシを介した通信制御、負荷分散、サーキットブレーカー、暗号化、認証、可観測性を提供します。Istio、Linkerd、Consul Connectなどの実装があり、複雑なマイクロサービス環境の運用を簡素化します。

    例: Istio, Linkerd, Consul Connect, サイドカープロキシ
    マイクロサービス 通信制御 セキュリティ 可観測性
  • API Gateway

    (エーピーアイゲートウェイ) API Gateway 上級
    複数のAPIサービスへの統一アクセスポイント。認証、レート制限、負荷分散、監視機能を提供し、APIの管理を簡素化する。

    API Gateway(APIゲートウェイ)は、複数のバックエンドAPIサービスへの単一エントリーポイントとして機能するサービスです。認証・認可、レート制限、リクエストルーティング、プロトコル変換、ログ記録、監視を統合的に提供し、クライアントとサービス間の複雑性を隠蔽します。マイクロサービスアーキテクチャにおいて重要な役割を果たします。

    例: AWS API Gateway, Azure API Management, Kong, Ambassador
    統一アクセス 認証 ルーティング レート制限
  • CDN

    (シーディーエヌ) Content Delivery Network 上級
    世界中に分散配置されたサーバーネットワークでコンテンツを配信するサービス。レイテンシ削減と可用性向上を実現する。

    CDN(Content Delivery Network)は、地理的に分散したサーバーネットワークを使用して、エンドユーザーに最も近い場所からコンテンツを配信するサービスです。Webサイト、画像、動画、APIレスポンスなどのコンテンツをキャッシュし、ページ読み込み速度の向上、サーバー負荷軽減、帯域幅コスト削減、DDoS攻撃の軽減を実現します。

    例: CloudFlare, AWS CloudFront, Azure CDN, キャッシング
    コンテンツ配信 パフォーマンス キャッシング 分散配置
  • IAM

    (アイエーエム) Identity and Access Management 上級
    クラウドリソースへのアクセス権限を管理するサービス。ユーザー、グループ、ロール、ポリシーを統合的に管理し、セキュリティを確保する。

    IAM(Identity and Access Management)は、クラウドリソースに対するアクセス制御を管理するサービスです。ユーザーIDの作成・管理、グループによる権限の集約、ロールベースのアクセス制御(RBAC)、最小権限の原則、多要素認証(MFA)、一時認証情報の発行などを提供し、セキュリティと運用効率を両立させます。

    例: AWS IAM, Azure AD, Google Cloud IAM, RBAC
    アクセス制御 セキュリティ 認証 権限管理
  • Zero Trust

    (ゼロトラスト) Zero Trust 上級
    「信頼しない、常に検証する」を原則とするセキュリティモデル。ネットワークの境界に依存せず、すべてのアクセスを検証・認可する。

    Zero Trust(ゼロトラスト)は、ネットワーク内外を問わずすべてのアクセス要求を検証する「決して信頼せず、常に検証する」セキュリティアーキテクチャです。従来の境界防御型セキュリティから脱却し、ID認証、デバイス検証、コンテキスト分析、最小権限アクセス、継続的監視を組み合わせ、リモートワークやクラウド環境に適したセキュリティを実現します。

    例: 多要素認証, デバイス証明書, 条件付きアクセス, マイクロセグメンテーション
    セキュリティモデル 継続的検証 境界なし 最小権限
  • データレイク

    (データレイク) Data Lake 上級
    構造化・非構造化データを元の形式で大量保存できるリポジトリ。データの事前変換なしに蓄積し、後で必要に応じて分析処理を行う。

    データレイク(Data Lake)は、構造化データ、半構造化データ、非構造化データを元の形式のまま大量に保存できる中央リポジトリです。従来のデータウェアハウスとは異なり、データの事前処理や変換を行わず、分析時に必要な処理を実行します。ビッグデータ分析、機械学習、IoTデータ処理などで活用され、スケーラビリティとコスト効率を実現します。

    例: AWS S3, Azure Data Lake, Google Cloud Storage, Apache Hadoop
    ビッグデータ データ保存 スケーラブル 分析基盤
  • Auto Scaling

    (オートスケーリング) Auto Scaling 上級
    負荷に応じてリソースを自動で増減させる機能。トラフィック変動に対応し、性能を維持しながらコストを最適化する。

    Auto Scaling(オートスケーリング)は、アプリケーションの負荷に応じてコンピュートリソースを自動的に調整する機能です。CPU使用率、メモリ使用量、リクエスト数などのメトリクスに基づいて、インスタンスの追加・削除、リソースのスケールアップ・ダウンを実行します。予期しないトラフィック増加への対応と、無駄なリソース使用の削減を両立します。

    例: EC2 Auto Scaling, Azure Scale Sets, GKE Cluster Autoscaler
    自動調整 負荷対応 コスト最適化 弾力性
  • Blue-Green Deployment

    (ブルーグリーンデプロイメント) Blue-Green Deployment 上級
    本番環境と同じ構成の新環境を並行稼働させ、トラフィックを瞬時に切り替えるリリース戦略。ダウンタイムを最小化し、即座にロールバック可能。

    Blue-Green Deployment(ブルーグリーンデプロイメント)は、現在の本番環境(Blue)と同じ構成の新しい環境(Green)を用意し、新バージョンのアプリケーションをGreen環境にデプロイ後、ロードバランサーでトラフィックを瞬時に切り替えるリリース戦略です。ダウンタイムの最小化、即座のロールバック、本番環境での事前テストが可能で、リスクの低いデプロイを実現します。

    例: AWS ELB切り替え, Kubernetes Service, トラフィック切り替え
    デプロイ戦略 ダウンタイム最小 即座ロールバック リスク軽減
  • Canary Deployment

    (カナリアデプロイメント) Canary Deployment 上級
    新バージョンを一部のユーザーにのみ段階的にリリースし、問題がないことを確認してから全体展開するリリース戦略。

    Canary Deployment(カナリアデプロイメント)は、新バージョンのアプリケーションを少数のユーザーや特定の環境に先行リリースし、メトリクス監視とフィードバック収集を行った後、段階的に展開範囲を拡大するリリース戦略です。炭鉱のカナリアが語源で、早期の問題発見、影響範囲の限定、リスクの段階的管理を実現し、安全なサービス更新を可能にします。

    例: トラフィック分割, A/Bテスト, 段階的ロールアウト, メトリクス監視
    段階的リリース リスク管理 早期発見 監視
  • Container Orchestration

    (コンテナオーケストレーション) Container Orchestration 上級
    複数のコンテナの展開、管理、スケーリング、ネットワーキングを自動化する技術。大規模なコンテナ環境の運用を効率化する。

    Container Orchestration(コンテナオーケストレーション)は、多数のコンテナアプリケーションの展開、スケーリング、管理、ネットワーキング、負荷分散を自動化する技術です。Kubernetesが代表的で、宣言的設定、自動復旧、サービスディスカバリ、ローリングアップデート、リソース管理を提供し、マイクロサービスアーキテクチャの運用を大幅に簡素化します。

    例: Kubernetes, Docker Swarm, Apache Mesos, Amazon ECS
    コンテナ管理 自動化 スケーリング 高可用性
  • Load Balancer

    (ロードバランサー) Load Balancer 上級
    複数のサーバーにトラフィックを分散配布する装置・サービス。高可用性とパフォーマンス向上を実現し、単一障害点を回避する。

    Load Balancer(ロードバランサー)は、クライアントからのリクエストを複数のバックエンドサーバーに効率的に分散する装置またはサービスです。ラウンドロビン、最小接続数、重み付け、IPハッシュなどのアルゴリズムを使用し、サーバーの負荷分散、ヘルスチェック、SSL終端、セッション保持などの機能を提供し、システムの可用性と性能を向上させます。

    例: AWS ALB/NLB, Azure Load Balancer, Google Cloud Load Balancer
    負荷分散 高可用性 ヘルスチェック トラフィック制御
  • Reserved Instance

    (リザーブドインスタンス) Reserved Instance 上級
    一定期間のコンピュートリソース利用をあらかじめ契約し、大幅な割引を受けられる料金プラン。長期利用でコストを大幅削減。

    Reserved Instance(リザーブドインスタンス)は、1年または3年間のコンピュートリソース利用を事前に契約することで、オンデマンド料金に比べて最大75%の割引を受けられる料金プランです。全額前払い、一部前払い、前払いなしの支払いオプションがあり、予測可能なワークロードに対する長期的なコスト最適化戦略として活用されます。

    例: AWS RI, Azure Reserved VM, Google Committed Use, コスト最適化
    コスト削減 長期契約 予算計画 割引料金
  • Spot Instance

    (スポットインスタンス) Spot Instance 上級
    クラウドプロバイダーの余剰キャパシティを大幅割引価格で利用できるサービス。中断可能性があるが、大幅なコスト削減を実現。

    Spot Instance(スポットインスタンス)は、クラウドプロバイダーの未使用キャパシティを市場価格(通常オンデマンド価格の10-90%割引)で利用できるサービスです。需要によりインスタンスが中断される可能性がありますが、バッチ処理、CI/CD、開発・テスト環境、耐障害性アプリケーションなど、中断に対応できるワークロードで大幅なコスト削減を実現します。

    例: AWS Spot Instance, Azure Spot VM, バッチ処理, CI/CD
    大幅割引 中断可能 バッチ処理 コスト最適化
  • CI/CD Pipeline

    (シーアイシーディーパイプライン) Continuous Integration/Continuous Deployment Pipeline 上級
    コード変更から本番リリースまでの自動化されたワークフロー。テスト、ビルド、デプロイを自動実行し、開発効率と品質を向上させる。

    CI/CD Pipeline(継続的インテグレーション/継続的デプロイメントパイプライン)は、コード変更の検知から本番環境へのリリースまでを自動化したワークフローです。コミット検知、自動テスト実行、ビルド、セキュリティスキャン、ステージング環境へのデプロイ、本番リリースまでの一連のプロセスを自動実行し、品質保証と高速リリースを両立します。

    例: Jenkins, GitHub Actions, Azure DevOps, GitLab CI/CD
    自動化 継続的統合 品質保証 DevOps
  • Cloud Monitoring

    (クラウドモニタリング) Cloud Monitoring 上級
    クラウドリソースとアプリケーションの性能・状態を監視するサービス。メトリクス収集、アラート、ダッシュボードによる可視化を提供。

    Cloud Monitoring(クラウドモニタリング)は、クラウドインフラストラクチャ、アプリケーション、サービスの性能と健全性を監視・可視化するサービスです。CPU、メモリ、ネットワーク、ディスクなどのメトリクス収集、カスタムメトリクス、ログ分析、異常検知、アラート通知、ダッシュボード作成機能を提供し、プロアクティブな運用管理を実現します。

    例: CloudWatch, Azure Monitor, Google Cloud Monitoring, Datadog
    性能監視 メトリクス アラート 可視化
  • Data Governance

    (データガバナンス) Data Governance 上級
    組織のデータ資産の品質、セキュリティ、コンプライアンスを管理するフレームワーク。データの適切な利用と保護を確保する。

    Data Governance(データガバナンス)は、組織内のデータ資産の品質、セキュリティ、プライバシー、コンプライアンスを管理する包括的なフレームワークです。データ分類、アクセス制御、データ系譜管理、品質管理、ライフサイクル管理、規制遵守を通じて、データの信頼性確保と適切な利用を実現し、データ駆動型組織の基盤を構築します。

    例: データカタログ, データ系譜, GDPR対応, データ分類
    データ管理 コンプライアンス 品質保証 セキュリティ
  • Machine Learning Platform

    (マシンラーニングプラットフォーム) ML Platform 上級
    機械学習モデルの開発、トレーニング、デプロイ、管理を統合的に支援するクラウドサービス。MLOpsを実現する包括的な環境を提供。

    Machine Learning Platform(機械学習プラットフォーム)は、データ準備、モデル開発、トレーニング、評価、デプロイ、監視までの機械学習ライフサイクル全体を支援するクラウドサービスです。Jupyter Notebook環境、分散トレーニング、ハイパーパラメータ調整、モデルレジストリ、推論エンドポイント、A/Bテスト機能を統合し、データサイエンティストの生産性を大幅に向上させます。

    例: AWS SageMaker, Azure ML, Google AI Platform, MLflow
    機械学習 MLOps モデル管理 統合環境
  • Event-Driven Architecture

    (イベントドリブンアーキテクチャ) Event-Driven Architecture 上級
    イベントの発生を契機として処理を実行するアーキテクチャパターン。疎結合性、スケーラビリティ、リアルタイム処理を実現する。

    Event-Driven Architecture(イベントドリブンアーキテクチャ)は、システム内で発生するイベント(状態変化、ユーザーアクション、システム通知)を基点として処理を連鎖実行するアーキテクチャパターンです。パブリッシュ・サブスクライブ、イベントストリーミング、CQRS、Event Sourcingなどの手法を活用し、マイクロサービス間の疎結合性、高いスケーラビリティ、リアルタイム処理を実現します。

    例: Apache Kafka, AWS EventBridge, Pub/Sub, Event Sourcing
    イベント処理 疎結合 スケーラブル リアルタイム
  • Fog Computing

    (フォグコンピューティング) Fog Computing 上級
    クラウドとエッジの中間層に位置する分散コンピューティングパラダイム。エッジコンピューティングを拡張し、より広範囲なネットワーク環境でリアルタイム処理を実現。

    Fog Computing(フォグコンピューティング)は、Cisco Systemsが提唱した概念で、クラウドとエッジデバイスの間に分散したコンピューティングレイヤーを配置します。IoT、自動運転、スマートシティなどの低レイテンシ要求に対応し、帯域使用量削減、プライバシー保護、リアルタイム分析を実現します。

    例: スマートシティ, 自動運転車, 産業IoT, リアルタイム分析
    分散処理 エッジ拡張 低レイテンシ IoT
  • Quantum Computing

    (クォンタムコンピューティング) Quantum Computing 上級
    量子力学の原理を利用した新しいコンピューティング技術。従来のコンピュータでは困難な複雑な問題を効率的に解決する可能性を持つ。

    Quantum Computing(量子コンピューティング)は、量子ビット(qubit)、重ね合わせ、量子もつれなどの量子現象を活用してデータを処理します。暗号解読、最適化問題、機械学習、材料科学などの分野で革新的な性能向上が期待されており、AWS Braket、Azure Quantum、Google Quantum AIなどのクラウドサービスも提供されています。

    例: AWS Braket, Azure Quantum, Google Quantum AI, 暗号解読
    量子技術 次世代コンピューティング 暗号 最適化
  • Cloud Migration

    (クラウドマイグレーション) Cloud Migration 上級
    オンプレミス環境からクラウド環境へのシステム移行プロセス。6つのR(Rehost、Replatform、Refactor、Retire、Retain、Repurchase)戦略で最適な移行方法を選択。

    Cloud Migration(クラウド移行)は、既存システムをクラウド環境に移転する戦略的プロセスです。リスク評価、依存関係分析、セキュリティ要件、コンプライアンス、パフォーマンス要件を考慮し、段階的な移行計画を策定します。AWS Migration Hub、Azure Migrate、Google Cloud Migrate for Compute Engineなどのツールがサポートします。

    例: 6つのR戦略, AWS Migration Hub, Azure Migrate, リフト&シフト
    システム移行 戦略 リスク管理 モダナイゼーション
  • Disaster Recovery

    (ディザスタリカバリ) Disaster Recovery (DR) 上級
    災害や障害発生時にシステムとデータを迅速に復旧させる戦略・プロセス。RTO(目標復旧時間)とRPO(目標復旧時点)を定義し、適切な復旧レベルを設計。

    Disaster Recovery(災害復旧)は、自然災害、システム障害、サイバー攻撃などからの迅速な復旧を目的とします。パイロットライト、ウォームスタンバイ、ホットスタンバイ、マルチサイトなどの戦略があり、クラウドの地理的分散機能を活用して効率的なDR環境を構築できます。

    例: RTO/RPO, パイロットライト, ウォームスタンバイ, クロスリージョン
    災害対策 事業継続 復旧戦略 リスク管理
  • CASB

    (キャスビー) Cloud Access Security Broker 上級
    企業とクラウドサービス間のセキュリティポリシーを統制するソリューション。可視性、コンプライアンス、データセキュリティ、脅威保護を包括的に提供。

    CASB(Cloud Access Security Broker)は、企業のクラウド利用を安全に管理するセキュリティソリューションです。シャドーIT発見、データ分類・保護、異常な活動検知、コンプライアンス監視を行い、クラウドファースト戦略を安全に推進します。Microsoft Cloud App Security、Netskope、Forcepoint CASBなどが代表例です。

    例: Microsoft Cloud App Security, Netskope, シャドーIT発見, データ保護
    クラウドセキュリティ データ保護 可視性 コンプライアンス
  • CSPM

    (シーエスピーエム) Cloud Security Posture Management 上級
    クラウド環境のセキュリティ設定ミスや脆弱性を継続的に監視・管理するソリューション。コンプライアンス違反やセキュリティリスクを自動検知・修復。

    CSPM(Cloud Security Posture Management)は、マルチクラウド環境でのセキュリティガバナンスを自動化します。設定ミス検知、コンプライアンス監視、リスクアセスメント、修復推奨事項の提供により、クラウドセキュリティの継続的改善を実現します。AWS Security Hub、Azure Security Center、Google Security Command Centerなどが提供されています。

    例: AWS Security Hub, Azure Security Center, 設定ミス検知, コンプライアンス
    セキュリティ管理 コンプライアンス 自動化 脅威検知
  • CWPP

    (シーダブリューピーピー) Cloud Workload Protection Platform 上級
    クラウドワークロード(仮想マシン、コンテナ、サーバーレス)を保護する統合セキュリティプラットフォーム。脅威検知、脆弱性管理、コンプライアンス監視を提供。

    CWPP(Cloud Workload Protection Platform)は、多様なクラウドワークロードに対する包括的セキュリティを提供します。ランタイム保護、脆弱性スキャン、設定評価、ネットワーク監視、ファイル整合性監視を統合し、マルチクラウド・ハイブリッド環境でのワークロード保護を実現します。

    例: Trend Micro Cloud One, Palo Alto Prisma Cloud, ランタイム保護, 脆弱性管理
    ワークロード保護 脅威検知 統合セキュリティ コンテナセキュリティ
  • DevSecOps

    (デブセックオプス) DevSecOps 上級
    セキュリティをDevOpsプロセスに統合した開発手法。開発初期段階からセキュリティを組み込み、セキュアな配信パイプラインを構築。

    DevSecOps(Development Security Operations)は、「セキュリティを後回しにしない」文化と実践を推進します。静的・動的アプリケーションセキュリティテスト(SAST/DAST)、依存関係スキャン、インフラセキュリティスキャン、コンプライアンスチェックをCI/CDパイプラインに統合し、シフトレフトアプローチでセキュリティを担保します。

    例: SAST/DAST, 依存関係スキャン, セキュリティゲート, シフトレフト
    セキュリティ統合 開発手法 自動化 シフトレフト
  • GitOps

    (ギットオプス) GitOps 上級
    Gitリポジトリを単一の信頼できる情報源として、インフラストラクチャとアプリケーションのデプロイメントを宣言的に管理する運用手法。

    GitOps(Git Operations)は、Gitリポジトリの状態を「理想状態」とし、継続的に実環境をその状態に同期させる運用手法です。Pull-basedデプロイメント、宣言的設定、イミュータブルデプロイメント、監査可能性を特徴とし、ArgoCD、Flux、Jenkins X、Tektonなどのツールで実現されます。

    例: ArgoCD, Flux, Jenkins X, Pull-basedデプロイ, 宣言的設定
    運用手法 宣言的設定 継続的デプロイ 監査性
  • Policy as Code

    (ポリシーアズコード) Policy as Code (PaC) 上級
    セキュリティポリシーやガバナンスルールをコードとして定義・管理する手法。自動化されたポリシー適用とコンプライアンスチェックを実現。

    Policy as Code(PaC)は、セキュリティポリシー、ガバナンスルール、コンプライアンス要件をプログラマブルに定義し、バージョン管理します。Open Policy Agent(OPA)、AWS Config Rules、Azure Policy、Terraform Sentinelなどを使用して、インフラストラクチャとアプリケーションの自動的な準拠性確保を実現します。

    例: Open Policy Agent, AWS Config Rules, Azure Policy, Terraform Sentinel
    ガバナンス コンプライアンス 自動化 ポリシー管理
  • Resource Governance

    (リソースガバナンス) Resource Governance 上級
    クラウドリソースの適切な利用を確保するためのガバナンスフレームワーク。コスト管理、セキュリティ、コンプライアンス、リソース最適化を統合的に管理。

    Resource Governance(リソースガバナンス)は、クラウドリソースのライフサイクル全体を通じた管理フレームワークです。リソースタグ付け標準、命名規則、アクセス制御ポリシー、コスト配分、使用量監視、自動化されたクリーンアップを含み、組織全体でのクラウド利用最適化を実現します。

    例: タグ付け戦略, 命名規則, コスト配分, リソース監視, 自動クリーンアップ
    ガバナンス リソース管理 コスト最適化 組織管理
  • Right Sizing

    (ライトサイジング) Right Sizing 上級
    ワークロードの実際の使用パターンに基づいてリソースサイズを最適化するプロセス。パフォーマンス要件を満たしながらコストを最小化。

    Right Sizing(適正サイジング)は、CPU使用率、メモリ使用量、ネットワーク利用状況、ディスクI/Oなどの詳細な監視データを分析し、ワークロードに最適なインスタンスタイプとサイズを決定します。AWS Compute Optimizer、Azure Advisor、Google Cloud Recommenderなどのツールが推奨事項を提供し、継続的な最適化を支援します。

    例: AWS Compute Optimizer, Azure Advisor, 使用率分析, コスト最適化
    コスト最適化 パフォーマンス リソース効率 監視分析
  • Chargeback/Showback

    (チャージバック/ショーバック) Chargeback/Showback 上級
    クラウドコストを実際の利用者に配分する仕組み。ChargebackはIT予算から実際に請求し、Showbackは利用状況を可視化してコスト意識を向上させる。

    Chargeback/Showback(チャージバック/ショーバック)は、クラウドコストの透明性と説明責任を向上させる重要なFinOps実践です。部門別・プロジェクト別・チーム別のコスト配分により、リソース利用の最適化を促進し、無駄な支出を削減します。タグベースの配分、使用量メトリクス、配分ルールエンジンを組み合わせて実現されます。

    例: 部門別コスト配分, プロジェクト別請求, タグベース配分, コスト可視化
    コスト配分 FinOps 説明責任 透明性
  • MLOps

    (エムエルオプス) Machine Learning Operations 上級
    機械学習モデルの開発・デプロイ・運用を自動化・標準化するDevOps手法の拡張。モデルライフサイクル管理、継続的学習、モデル監視を実現。

    MLOps(Machine Learning Operations)は、機械学習プロジェクトの本番運用を成功させるための実践体系です。データパイプライン、特徴量エンジニアリング、モデル訓練、評価、デプロイ、監視、再訓練のサイクルを自動化し、継続的にモデル性能を維持・改善します。Kubeflow、MLflow、TensorFlow Extended、Amazon SageMakerなどのプラットフォームが支援します。

    例: Kubeflow, MLflow, TensorFlow Extended, モデル監視, A/Bテスト
    機械学習 運用自動化 モデル管理 継続的学習
  • Cloud AI Services

    (クラウドエーアイサービス) Cloud AI Services 上級
    クラウドプロバイダーが提供する人工知能・機械学習サービス群。事前訓練済みモデル、APIベースのAI機能、カスタムモデル開発プラットフォームを包含。

    Cloud AI Services(クラウドAIサービス)は、画像認識、自然言語処理、音声認識、予測分析などのAI機能を簡単に統合できるマネージドサービスです。Amazon Rekognition、Azure Cognitive Services、Google Cloud AI、IBM Watson APIなどがあり、開発者は複雑なAIモデル開発なしに高度なAI機能をアプリケーションに組み込めます。

    例: Amazon Rekognition, Azure Cognitive Services, Google Vision API, Watson API
    人工知能 マネージドサービス API統合 事前訓練済み
  • Advanced Analytics

    (アドバンスド アナリティクス) Advanced Analytics 上級
    従来のビジネスインテリジェンスを超えた高度な分析手法。予測分析、処方的分析、リアルタイム分析、機械学習を組み合わせて洞察を生成。

    Advanced Analytics(高度分析)は、記述的分析、診断的分析、予測的分析、処方的分析の4つのレベルを包含します。統計的モデリング、機械学習、深層学習、時系列分析、最適化手法を組み合わせ、ビジネス価値創出とデータドリブン意思決定を支援します。Databricks、Snowflake、AWS Redshift、Azure Synapse Analyticsなどのプラットフォームで実現されます。

    例: 予測分析, 処方的分析, Databricks, Snowflake, リアルタイム分析
    データ分析 予測 機械学習 洞察生成
  • DataOps

    (データオプス) DataOps 上級
    データ管理とアナリティクスにDevOps原則を適用した手法。データパイプラインの自動化、品質管理、協業促進により、データから価値創出までの時間を短縮。

    DataOps(Data Operations)は、データエンジニアリング、データサイエンス、データアナリティクスチーム間の協業を促進し、データパイプラインの信頼性と敏捷性を向上させます。データ品質テスト、自動化されたデータ配信、監視・アラート、バージョン管理、環境管理を統合し、継続的なデータ価値提供を実現します。

    例: データパイプライン自動化, データ品質テスト, Apache Airflow, データバージョン管理
    データ管理 自動化 品質保証 協業
  • Microservices Decomposition

    (マイクロサービス分解) Microservices Decomposition 上級
    モノリシックアプリケーションを独立したマイクロサービスに分割する設計プロセス。ビジネス境界、データ結合度、チーム構造を考慮した戦略的分解。

    Microservices Decomposition(マイクロサービス分解)は、Domain-Driven Design(DDD)、Bounded Context、Event Storming、Conway's Lawなどの原則を適用して実行されます。段階的な分解(Strangler Fig Pattern)、データベース分離戦略、API設計、分散トランザクション管理を慎重に計画し、システムの複雑性を管理しながら移行を進めます。

    例: Domain-Driven Design, Bounded Context, Strangler Fig Pattern, Event Storming
    アーキテクチャ移行 設計手法 分散システム モダナイゼーション
  • Immutable Deployment

    (イミュータブルデプロイメント) Immutable Deployment 上級
    既存インフラを変更せず、新しいインフラをデプロイして置き換えるデプロイメント戦略。設定ドリフトを防ぎ、一貫性と信頼性を向上させる。

    Immutable Deployment(イミュータブルデプロイメント)は、「ペットではなく家畜」の思想に基づき、インフラストラクチャを使い捨てリソースとして扱います。Container技術、Infrastructure as Code、Golden AMI、イミュータブルタグ戦略を組み合わせ、予測可能で再現性の高いデプロイメントを実現し、セキュリティリスクと運用複雑性を大幅に削減します。

    例: Golden AMI, Container化, 使い捨てインフラ, 設定ドリフト防止
    デプロイ戦略 一貫性 信頼性 セキュリティ
  • Cloud Vendor Lock-in

    (クラウドベンダーロックイン) Cloud Vendor Lock-in 上級
    特定のクラウドプロバイダーへの過度な依存により、他のプロバイダーへの移行が困難になる状況。技術的・経済的・契約的な制約要因を理解し回避策を設計。

    Cloud Vendor Lock-in(クラウドベンダーロックイン)は、プロプライエタリAPI、独自データ形式、専用ツール、特殊なサービス統合によって発生します。回避策として、標準化技術の採用、抽象化レイヤーの実装、マルチクラウド戦略、ポータブルなアーキテクチャ設計、コンテナ化、オープンソース技術の活用が重要です。

    例: API依存, データ移行コスト, マルチクラウド戦略, 標準化技術
    リスク管理 戦略計画 移行性 標準化
  • Site Reliability Engineering

    (サイトリライアビリティエンジニアリング) Site Reliability Engineering (SRE) 上級
    Googleが開発した運用手法。ソフトウェアエンジニアリング手法を運用に適用し、スケーラブルで信頼性の高いシステムを構築・運用する。

    Site Reliability Engineering(SRE)は、Service Level Objectives(SLO)、Service Level Indicators(SLI)、Error Budgetを中核とし、信頼性と変更速度のバランスを管理します。Toil削減、ポストモーテム分析、Chaos Engineering、段階的ロールアウトを通じて、継続的な改善とインシデント予防を実現します。

    例: SLO/SLI, Error Budget, Toil削減, ポストモーテム, Chaos Engineering
    信頼性工学 運用手法 Google発 継続改善
  • Cloud Security Frameworks

    (クラウドセキュリティフレームワーク) Cloud Security Frameworks 上級
    クラウドセキュリティのベストプラクティスと標準を体系化したフレームワーク群。NIST、CSA、ISO/IEC、SOC等の基準に基づく包括的セキュリティ管理。

    Cloud Security Frameworks(クラウドセキュリティフレームワーク)には、NIST Cybersecurity Framework、CSA Cloud Controls Matrix、ISO/IEC 27017/27018、SOC 2、FedRAMP、PCI DSS等があります。これらは組織がクラウド環境でリスクベースのセキュリティ戦略を策定し、継続的なコンプライアンス管理を実現するためのガイダンスを提供します。

    例: NIST CSF, CSA CCM, ISO/IEC 27017, SOC 2, FedRAMP
    セキュリティ標準 コンプライアンス ベストプラクティス リスク管理
  • Cloud Economics

    (クラウドエコノミクス) Cloud Economics 上級
    クラウド投資の経済的価値を評価・最適化する分析手法。TCO、ROI、NPV分析を通じてクラウド移行の財務的正当性を評価し、継続的なコスト最適化を実現。

    Cloud Economics(クラウドエコノミクス)は、クラウド投資の Total Cost of Ownership(TCO)、Return on Investment(ROI)、Net Present Value(NPV)、payback period を包括的に分析します。CapExからOpExへの転換、scale economies、agility value、risk mitigation valueを定量化し、クラウドファーストの意思決定を財務的に支援します。

    例: TCO分析, ROI計算, CapEx/OpEx変換, ビジネスケース作成
    財務分析 投資評価 価値創出 意思決定支援