ネットワーク用語集【上級】
SDN、NFV、SD-WAN、ネットワーク仮想化など、最先端のネットワーク技術と応用情報技術者試験レベルの専門用語を学習できます
用語数統計
ネットワーク上級用語一覧
36個の上級用語を体系的に解説
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SDN
(エスディーエヌ) Software-Defined Networking 上級ネットワーク制御をソフトウェアで一元管理する技術。コントロールプレーンとデータプレーンを分離し、柔軟なネットワーク管理を実現。SDN(Software-Defined Networking)は、ネットワークの制御機能(コントロールプレーン)と転送機能(データプレーン)を分離し、中央のコントローラーでネットワーク全体を制御する技術です。OpenFlowプロトコルを使用してスイッチを制御し、プログラマブルで柔軟なネットワーク運用を実現します。仮想化、自動化、運用効率化に大きく貢献します。
例: OpenFlow, コントローラー, データプレーン分離, プログラマブルネットワーク -
NFV
(エヌエフブイ) Network Functions Virtualization 上級ネットワーク機能を仮想化技術で汎用サーバー上で実現する技術。専用ハードウェアに依存せず、柔軟でコスト効率的なネットワーク構築が可能。NFV(Network Functions Virtualization)は、従来専用ハードウェアで提供されていたネットワーク機能(ファイアウォール、ロードバランサー、ルーターなど)を、汎用サーバー上の仮想マシンやコンテナで実現する技術です。VNF(Virtual Network Function)、NFVI(NFV Infrastructure)、MANO(Management and Orchestration)で構成され、運用コストの削減と柔軟性の向上を実現します。
例: VNF, NFVI, MANO, 仮想ファイアウォール -
MPLS
(エムピーエルエス) Multiprotocol Label Switching 上級ラベルを使用した高速パケット転送技術。QoSの保証、VPNの構築、トラフィックエンジニアリングを効率的に実現する。MPLS(Multiprotocol Label Switching)は、パケットにラベルを付与して高速転送を行う技術です。ラベルスイッチングによりルーティングテーブルの検索を省略し、QoS制御、VPN構築、トラフィックエンジニアリングを効率的に実現します。企業ネットワークやサービスプロバイダーネットワークで広く採用されています。
例: ラベルスイッチング, MPLS VPN, LSP, トラフィックエンジニアリング -
QoS
(キューオーエス) Quality of Service 上級ネットワークサービスの品質を制御・保証する技術。帯域幅、遅延、ジッタ、パケット損失率などを管理し、重要な通信を優先する。QoS(Quality of Service)は、ネットワーク上で異なるアプリケーションやユーザーに対して、サービス品質を差別化して提供する技術です。帯域制御、優先度制御、トラフィックシェーピング、ポリシング等の手法により、音声通話、動画配信、重要なデータ通信などに適切なネットワークリソースを割り当てます。
例: トラフィックシェーピング, 優先度制御, 帯域制御, DiffServ -
BGP
(ビージーピー) Border Gateway Protocol 上級インターネットの自律システム(AS)間で経路情報を交換するルーティングプロトコル。インターネットの基盤技術として広く使用される。BGP(Border Gateway Protocol)は、インターネット上の異なる自律システム(AS)間で経路情報を交換するエクステリアゲートウェイプロトコルです。パスベクトルアルゴリズムを使用し、ルーティングポリシーに基づいた柔軟な経路制御が可能です。ISP間の接続、マルチホーミング、トラフィックエンジニアリングの基盤技術として重要な役割を果たしています。
例: AS番号, eBGP, iBGP, ルーティングポリシー -
EIGRP
(アイジーアールピー) Enhanced Interior Gateway Routing Protocol 上級Ciscoが開発したハイブリッドルーティングプロトコル。距離ベクトルとリンクステートの利点を組み合わせ、高速収束を実現する。EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)は、Ciscoが開発したプロプライエタリなルーティングプロトコルです。DUAL(Diffusing Update Algorithm)アルゴリズムにより高速収束を実現し、複数のメトリック(帯域幅、遅延、負荷、信頼性)を使用した複合メトリックで最適経路を計算します。自動要約、負荷分散、VLSMサポートなどの高度な機能を提供し、大規模企業ネットワークで広く使用されています。
例: DUAL算法, 複合メトリック, 高速収束, 負荷分散 -
RIP
(アールアイピー) Routing Information Protocol 上級最も古いルーティングプロトコルの一つ。ホップ数をメトリックとする距離ベクトル型で、小規模ネットワークに適している。RIP(Routing Information Protocol)は、ホップ数(経由するルーター数)をメトリックとする距離ベクトル型ルーティングプロトコルです。最大ホップ数15の制限があり、RIPv1(クラスフル)とRIPv2(クラスレス、認証対応)があります。30秒間隔でルーティングテーブル全体をブロードキャストし、設定が簡単で小規模ネットワークに適していますが、収束が遅く大規模ネットワークには不向きです。
例: ホップ数メトリック, 30秒更新, RIPv1/v2, 最大15ホップ -
IS-IS
(アイエスアイエス) Intermediate System to Intermediate System 上級ISO標準のリンクステート型ルーティングプロトコル。大規模ISPネットワークで使用され、IPv4とIPv6の両方をネイティブサポートする。IS-IS(Intermediate System to Intermediate System)は、ISO/IEC 10589として標準化されたリンクステート型ルーティングプロトコルです。OSPFと類似していますが、プロトコル独立性が高く、IPv4とIPv6を同時にサポートします。2レベル階層(Level-1とLevel-2)でスケーラビリティを確保し、大規模ISPやキャリアネットワークで使用されます。MPLSとの親和性も高く、トラフィックエンジニアリングにも対応しています。
例: Level-1/Level-2, プロトコル独立, IPv6対応, ISPネットワーク -
ルート反映
(ルートはんえい) Route Reflection 上級BGPで使用される技術。ルートリフレクターが他のBGPピアからの経路情報を反映することで、フルメッシュ接続を不要にする。ルート反映(Route Reflection)は、BGPネットワークでフルメッシュiBGP接続の複雑さを軽減する技術です。ルートリフレクター(RR)が複数のBGPスピーカー間で経路情報を中継することで、n(n-1)/2のiBGPセッション数をn-1に削減できます。クライアント・サーバー型の階層構造を構築し、大規模なBGPネットワークの管理を簡素化します。ループ防止機構としてOriginator IDとCluster Listを使用します。
例: ルートリフレクター, クライアント構成, Originator ID, Cluster List -
AS連邦
(エーエスれんぽう) AS Confederation 上級大きなBGP自律システムを複数の小さなサブAS(Confederation)に分割してスケーラビリティを向上させる技術。AS連邦(AS Confederation)は、大規模なBGP自律システムを複数の小さなサブAS(Member AS)に分割し、管理性とスケーラビリティを向上させる技術です。外部からは単一のASとして見え、内部ではeBGPとiBGPの中間的な動作をします。連邦内のAS間では通常のAS_PATHではなくAS_CONFEDSEQとAS_CONFEDSETを使用し、ループ防止を実現します。ルート反映と並ぶBGPスケーラビリティソリューションです。
例: Member AS, AS_CONFEDSEQ, AS_CONFEDSET, Confederation ID -
MPLS-TE
(エムピーエルエス・ティーイー) MPLS Traffic Engineering 上級MPLSを使用したトラフィックエンジニアリング技術。ネットワークリソースを効率的に使用し、QoSとパフォーマンスを最適化する。MPLS-TE(MPLS Traffic Engineering)は、MPLSネットワークでトラフィックフローを最適化し、ネットワークリソースを効率的に利用する技術です。RSVP-TEまたはCR-LDPプロトコルを使用してLSP(Label Switched Path)を明示的に設定し、帯域保証、経路制御、障害回復を実現します。輻輳回避、負荷分散、QoS保証により、キャリアグレードネットワークの高品質サービス提供を支援します。
例: RSVP-TE, LSP設定, 帯域保証, FRR(Fast Reroute) -
SR-MPLS
(エスアール・エムピーエルエス) Segment Routing MPLS 上級セグメントルーティングをMPLSで実装する技術。シンプルな制御プレーンで柔軟なトラフィック制御を実現する次世代ネットワーク技術。SR-MPLS(Segment Routing MPLS)は、従来のMPLS-TEより簡素化された制御プレーンでトラフィックエンジニアリングを実現する次世代技術です。ソースルーティング概念を採用し、パケットにセグメントリスト(経路情報)を埋め込んで転送します。RSVP-TEプロトコルが不要になり、IGPの拡張だけで実装可能です。5Gネットワーク、SDN/NFV環境での柔軟なサービス提供に適しています。
例: セグメントリスト, ソースルーティング, IGP拡張, 5Gネットワーク -
EVPN
(イーブイピーエヌ) Ethernet VPN 上級BGPを使用してイーサネットセグメントを接続するL2VPN技術。データセンター相互接続とキャリアイーサネットサービスで使用される。EVPN(Ethernet VPN)は、BGPを制御プレーンとしてL2接続を提供する次世代VPN技術です。VXLAN、MPLS、SR-MPLSなど様々なデータプレーンに対応し、マルチホーミング、ARP抑制、未知ユニキャスト抑制などの高度な機能を提供します。データセンター間接続、クラウド接続、5Gバックホールなどで広く採用され、従来のVPLSより優れたスケーラビリティと機能を実現しています。
例: BGP制御, マルチホーミング, VXLAN対応, データセンター間接続 -
VRF
(ブイアールエフ) Virtual Routing and Forwarding 上級単一の物理ルーター上で複数の仮想ルーティングテーブルを作成する技術。テナント分離とマルチVPNサービスを実現する。VRF(Virtual Routing and Forwarding)は、単一の物理ルーター内で複数の独立したルーティングテーブルとフォワーディングテーブルを作成する仮想化技術です。各VRFは独立したルーティングドメインとして動作し、MPLS VPN、データセンターテナント分離、企業の部署間分離などに使用されます。Route Target(RT)とRoute Distinguisher(RD)によりVRF間のルート制御を行い、柔軟なネットワーク分離を実現します。
例: Route Target, Route Distinguisher, テナント分離, MPLS VPN -
VXLAN
(ブイエックスラン) Virtual Extensible LAN 上級L2overL3技術でデータセンターネットワーク仮想化を実現。24ビットVNIにより1600万個の仮想ネットワークを作成可能。VXLAN(Virtual Extensible LAN)は、既存のL3ネットワーク上でL2セグメントを拡張するオーバーレイネットワーク技術です。UDPカプセル化(ポート4789)により、物理ネットワーク境界を越えてL2ドメインを拡張できます。24ビットのVNI(VXLAN Network Identifier)により1600万個の仮想ネットワークを識別可能で、大規模マルチテナントデータセンターの仮想化に不可欠な技術です。
例: VNI, UDPカプセル化, オーバーレイ, VTEP -
NSX
(エヌエスエックス) VMware NSX 上級VMwareのネットワーク仮想化プラットフォーム。ソフトウェアでL2-L7ネットワークサービスを提供し、マイクロセグメンテーションを実現。NSX(VMware NSX)は、データセンター向けのソフトウェア定義ネットワーク(SDN)プラットフォームです。仮想スイッチ、ルーター、ファイアウォール、ロードバランサーなどのネットワーク機能をソフトウェアで実装し、きめ細かなマイクロセグメンテーションによるゼロトラストセキュリティを実現します。vSphere環境と密接に統合され、仮想マシン単位でのセキュリティポリシー適用が可能です。
例: 分散ファイアウォール, マイクロセグメンテーション, vSphere統合, ゼロトラスト -
OpenStack Neutron
(オープンスタック・ニュートロン) OpenStack Neutron 上級OpenStackのネットワークサービスプロジェクト。仮想ネットワーク、ルーター、ファイアウォール、ロードバランサーを提供。OpenStack Neutronは、OpenStackクラウド基盤のネットワーキングサービスを提供するプロジェクトです。テナント別の仮想ネットワーク作成、仮想ルーター、セキュリティグループ、フローティングIP、ロードバランサー(LBaaS)、ファイアウォール(FWaaS)、VPN(VPNaaS)などの機能を提供します。プラグインアーキテクチャにより、様々なネットワーク技術(OpenvSwitch、Linux Bridge、SR-IOVなど)に対応できます。
例: セキュリティグループ, フローティングIP, LBaaS, VPNaaS -
オーバーレイネットワーク
(オーバーレイネットワーク) Overlay Network 上級既存の物理ネットワーク(アンダーレイ)上に構築される仮想ネットワーク。トンネリング技術により論理的なネットワーク分離を実現。オーバーレイネットワーク(Overlay Network)は、既存の物理ネットワーク(アンダーレイ)上にトンネリング技術を使用して構築される仮想的なネットワーク層です。VXLAN、GRE、STT、Geneveなどのカプセル化技術により、物理ネットワークの制約を超えたL2/L3接続を提供します。クラウド環境、SDN、コンテナネットワーキングで重要な役割を果たし、テナント分離、柔軟性、スケーラビリティを実現します。
例: VXLAN, GRE, STT, Geneve, トンネリング -
サービスチェイニング
(サービスチェイニング) Service Chaining 上級複数のネットワークサービス(ファイアウォール、負荷分散、DPIなど)を特定の順序で通過させるトラフィック制御技術。サービスチェイニング(Service Chaining)は、ネットワークトラフィックを複数のサービス機能(ファイアウォール、IPS、負荷分散、DPI、WAFなど)に特定の順序で通過させる技術です。SFC(Service Function Chaining)として標準化され、NSH(Network Service Header)によりサービスパス情報をパケットに付加します。NFVやSDN環境で柔軟なサービス提供を実現し、通信事業者のサービス差別化に貢献します。
例: SFC, NSH, サービスパス, NFV統合 -
インテントベースネットワーキング
(インテントベースネットワーキング) Intent-Based Networking 上級ビジネス要件や意図をネットワーク設定に自動変換するアプローチ。AIと自動化によりネットワーク運用を最適化する次世代技術。インテントベースネットワーキング(Intent-Based Networking, IBN)は、「アプリケーションの応答時間を10ms以下に」「セキュリティレベルを高に設定」などのビジネス意図を、ネットワーク機器の具体的な設定に自動変換する技術です。AI/ML、ポリシーエンジン、自動化ツールを組み合わせ、継続的な監視と最適化によりネットワークを意図した状態に維持します。Cisco DNA、Juniper Apstraなどの製品で実装されています。
例: ビジネス意図, 自動設定変換, AI/ML活用, 継続最適化 -
ゼロトラストネットワーク
(ゼロトラストネットワーク) Zero Trust Network 上級「信頼しない、常に検証する」原則に基づくセキュリティモデル。すべての通信を検証し、最小権限の原則でアクセスを制御する。ゼロトラストネットワーク(Zero Trust Network)は、ネットワーク境界の内外を問わず、すべてのユーザー・デバイス・アプリケーションを「信頼しない」前提で設計されたセキュリティアーキテクチャです。マイクロセグメンテーション、多要素認証、継続的検証、最小権限の原則、暗号化通信を組み合わせ、「Never Trust, Always Verify」を実現します。リモートワーク、クラウド移行が進む現代において、境界防御の限界を補完する重要なコンセプトです。
例: Never Trust Always Verify, マイクロセグメンテーション, 最小権限, 継続的検証 -
SASE
(サシー) Secure Access Service Edge 上級ネットワークとセキュリティ機能をクラウドサービスとして統合提供するアーキテクチャ。SD-WANとセキュリティサービスを融合。SASE(Secure Access Service Edge)は、SD-WAN、CASB、FWaaS、SWG、ZTNA等のネットワークとセキュリティ機能をクラウドベースで統合提供するアーキテクチャです。地理的に分散したエッジから、場所に依存しない安全なアクセスを提供し、従来の境界防御からゼロトラストへの移行を支援します。リモートワーク、クラウドファースト、デジタルトランスフォーメーションに対応した次世代アーキテクチャとして注目されています。
例: SD-WAN統合, CASB, FWaaS, ZTNA, エッジコンピューティング -
ネットワークフォレンジック
(ネットワークフォレンジック) Network Forensics 上級ネットワークトラフィックの記録・分析により、セキュリティインシデントの原因究明と証拠保全を行う技術。ネットワークフォレンジック(Network Forensics)は、ネットワーク上を流れるトラフィックデータを記録・保存し、セキュリティインシデント発生時に詳細分析を行う技術です。パケットキャプチャ、フローデータ分析、メタデータ解析により、攻撃手法の特定、影響範囲の調査、証拠保全を行います。SIEM、NDR(Network Detection and Response)、パケット解析ツール(Wireshark、tcpdump)等と連携し、インシデントレスポンスの精度向上に貢献します。
例: パケットキャプチャ, フロー分析, Wireshark, NDR -
DLP
(ディーエルピー) Data Loss Prevention 上級機密データの漏洩を防止する技術。ネットワーク、エンドポイント、ストレージでデータの移動を監視・制御する。DLP(Data Loss Prevention)は、組織の機密情報や個人情報の意図しない漏洩を防止するセキュリティ技術です。ネットワーク監視、エンドポイント制御、ストレージ監視の3つのアプローチで、データの識別、分類、監視、制御を行います。正規表現、機械学習、指紋技術等により機密データを検出し、ブロック、暗号化、アラート等のアクションを実行します。GDPR、PCI DSS等のコンプライアンス要件への対応にも重要です。
例: データ分類, 指紋技術, エンドポイント制御, コンプライアンス -
NDR
(エヌディーアール) Network Detection and Response 上級ネットワークトラフィックを監視して脅威を検出し、自動的に対応するセキュリティ技術。AI/MLを活用した高度な脅威検知を実現。NDR(Network Detection and Response)は、ネットワークトラフィックをリアルタイムで監視・分析し、サイバー脅威の検出と自動対応を行うセキュリティソリューションです。機械学習とAIにより通常の通信パターンを学習し、異常な振る舞いを検出します。APT攻撃、内部脅威、ゼロデイ攻撃、暗号化トラフィック内の脅威なども検出可能で、SOARと連携した自動レスポンスにより、インシデント対応時間を大幅に短縮します。
例: 異常検知, 機械学習, 自動レスポンス, SOAR連携 -
UEBA
(ユーイーバ) User and Entity Behavior Analytics 上級ユーザーとエンティティの行動パターンを分析し、異常な振る舞いから内部脅威や侵害されたアカウントを検出する技術。UEBA(User and Entity Behavior Analytics)は、ユーザー、デバイス、アプリケーション等のエンティティの通常行動パターンをベースライン化し、機械学習により異常な振る舞いを検出する技術です。ログイン時間、アクセス先、データ転送量、地理的位置等を分析し、なりすまし、権限昇格、データ窃取、内部脅威を検出します。SIEMやSOARと連携し、誤検知を抑制しながら高精度な脅威検知を実現します。
例: 行動ベースライン, 異常検知, 内部脅威, アクセス分析 -
TLS 1.3
(ティーエルエス1.3) Transport Layer Security 1.3 上級最新のTLSプロトコル。従来版より高速で安全な暗号化通信を実現し、ハンドシェイク時間の短縮と暗号強度向上を図る。TLS 1.3は、2018年にRFC 8446として標準化された最新のTransport Layer Securityプロトコルです。ハンドシェイクラウンドトリップを1.5回から1回に削減し、0-RTT(Zero Round Trip Time)データ送信もサポートしています。弱い暗号化方式を削除し、Perfect Forward Secrecy(PFS)を必須化、暗号化されたSNI、証明書の暗号化など、セキュリティと性能の両面で大幅に改善されています。
例: 1-RTTハンドシェイク, 0-RTTデータ, Perfect Forward Secrecy, 暗号化SNI -
DNS over HTTPS
(ディーエヌエス・オーバー・エイチティーティーピーエス) DNS over HTTPS 上級DNS通信をHTTPS上で暗号化して行う技術。従来の平文DNS通信を保護し、プライバシーとセキュリティを向上させる。DoH(DNS over HTTPS)は、DNS クエリとレスポンスをHTTPS プロトコルで暗号化して送信する技術です。RFC 8484で標準化され、従来の平文DNS通信(UDP/TCP ポート53)と異なり、HTTPSポート443を使用するため、ファイアウォールやプロキシでの検出が困難です。CloudflareやGoogleなどがパブリックDoHサーバーを提供し、DNS盗聴、改ざん、フィルタリング回避、プライバシー保護を実現しますが、企業ネットワークでの制御が課題となっています。
例: RFC 8484, Cloudflare DoH, Google DoH, DNS暗号化 -
5G Network Slicing
(ファイブジー・ネットワークスライシング) 5G Network Slicing 上級5Gネットワークを用途別の仮想ネットワーク(スライス)に分割する技術。異なるサービス要件に最適化されたネットワークを提供。5G Network Slicingは、単一の物理5Gネットワークインフラを複数の論理的なネットワークスライスに分割し、各スライスが異なるサービス特性(超低遅延、大容量、大規模IoT等)を提供する技術です。eMBB(Enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low-Latency Communications)、mMTC(Massive Machine Type Communications)の3つの主要ユースケースに対応し、SDN/NFV技術により動的にスライスを作成・管理します。自動運転、遠隔手術、スマートファクトリーなど多様なサービスを同一インフラで実現できます。
例: eMBB, URLLC, mMTC, 動的スライス管理 -
エッジコンピューティング
(エッジコンピューティング) Edge Computing 上級ユーザーやデバイスに近い場所でデータ処理を行う分散コンピューティングモデル。低遅延とリアルタイム処理を実現する。エッジコンピューティング(Edge Computing)は、データセンターやクラウドではなく、データ生成源により近い場所(エッジ)で処理を行う分散コンピューティングパラダイムです。IoTデバイス、自動運転車、産業用センサーなどからの大量データをリアルタイムで処理し、ネットワーク帯域の節約、レスポンス時間の短縮、プライバシー保護を実現します。5G、AI推論、コンテナ技術と組み合わせ、次世代デジタルサービスの基盤技術として重要性が高まっています。
例: リアルタイム処理, IoTエッジ, 5G MEC, AI推論 -
IoTネットワーキング
(アイオーティー・ネットワーキング) IoT Networking 上級IoTデバイス向けに最適化されたネットワーク技術。低消費電力、広域カバレッジ、大量接続を実現するLPWAN等を含む。IoTネットワーキング(IoT Networking)は、Internet of Thingsデバイスの特性(低消費電力、コスト制約、大量接続、多様な通信要件)に最適化されたネットワーク技術群です。LPWAN(LoRaWAN、Sigfox、NB-IoT)、メッシュネットワーク(Zigbee、Thread)、6LoWPAN、CoAP、MQTT等のプロトコルを組み合わせ、スマートシティ、農業IoT、産業IoT、ヘルスケアIoTなど様々な用途に対応します。セキュリティ、デバイス管理、データ統合の課題解決も重要な要素です。
例: LoRaWAN, NB-IoT, MQTT, 6LoWPAN, メッシュネットワーク -
ネットワーク自動化
(ネットワークじどうか) Network Automation 上級ネットワーク運用・管理作業を自動化する技術。Infrastructure as Code、設定管理、監視の自動化により運用効率を向上。ネットワーク自動化(Network Automation)は、従来手動で行っていたネットワーク機器の設定、監視、トラブルシューティング、変更管理を自動化する技術です。Ansible、Python、Terraform等のツールを使用してInfrastructure as Code(IaC)を実現し、設定の標準化、変更の追跡可能性、迅速な展開を可能にします。NETCONF、RESTCONF、gRPCなどの現代的なAPIを活用し、GitOpsアプローチによる継続的インテグレーション/デプロイメント(CI/CD)も適用されています。
例: Ansible Playbook, Infrastructure as Code, NETCONF, GitOps -
ネットワークオーケストレーション
(ネットワークオーケストレーション) Network Orchestration 上級複数のネットワークサービスやリソースを統合管理し、サービス要求に応じて自動的にプロビジョニング・構成する技術。ネットワークオーケストレーション(Network Orchestration)は、複雑なネットワークサービス(VPN、ファイアウォール、負荷分散等)を自動的に組み合わせ、エンドツーエンドのサービスを提供する技術です。MANO(Management and Network Orchestration)、OSM(Open Source MANO)、ONAP(Open Network Automation Platform)等のプラットフォームにより、サービス設計、インスタンス化、ライフサイクル管理を自動化します。NFVやSDNと連携し、通信事業者のサービス提供を効率化しています。
例: MANO, OSM, ONAP, サービスライフサイクル管理 -
パケット解析
(パケットかいせき) Packet Analysis 上級ネットワークトラフィックのパケットを詳細に分析する技術。トラブルシューティング、性能分析、セキュリティ調査に使用される。パケット解析(Packet Analysis)は、ネットワーク上を流れるデータパケットをキャプチャし、プロトコル構造、ヘッダー情報、ペイロード内容を詳細に分析する技術です。Wireshark、tcpdump、tshark等のツールを使用し、ネットワーク障害の原因特定、性能ボトルネックの発見、セキュリティインシデント調査、プロトコル動作の検証を行います。OSI各層のプロトコル知識と、統計解析、フィルタリング、相関分析のスキルが必要な高度な技術です。
例: Wireshark, tcpdump, プロトコル解析, トラフィック統計 -
ネットワーク診断
(ネットワークしんだん) Network Diagnostics 上級ネットワークの問題を特定・解決するための体系的な診断手法。複数のツールと手法を組み合わせて根本原因を究明する。ネットワーク診断(Network Diagnostics)は、ネットワークの性能劣化、接続障害、セキュリティ問題等を体系的に調査・解決するためのアプローチです。レイヤー1(物理)からレイヤー7(アプリケーション)まで段階的に確認し、ping、traceroute、netstat、iperf、Wireshark等のツールを組み合わせます。OSI参照モデルに沿った分析手法、統計的アプローチ、相関分析により、複雑なネットワーク問題の根本原因を特定し、効果的な解決策を提供します。
例: レイヤー別診断, ping/traceroute, iperf性能測定, 根本原因分析 -
ネットワーク監視システム
(ネットワークかんしシステム) Network Monitoring System 上級ネットワークインフラの状態を継続的に監視し、問題の早期発見とアラート通知を行う統合システム。性能分析とレポート機能も提供。ネットワーク監視システム(Network Monitoring System)は、ネットワーク機器、回線、サービスの状態を24時間365日監視し、異常の早期発見、性能分析、レポート作成を行う統合システムです。SNMP、NetFlow、sFlow、IPFIX等のプロトコルでデータを収集し、閾値監視、傾向分析、障害通知、ダッシュボード表示を提供します。Nagios、Zabbix、SolarWinds、PRTG等の製品があり、AIを活用した予兆検知、自動復旧、インシデント管理機能も進化しています。
例: SNMP監視, NetFlow分析, 閾値アラート, AI予兆検知