プログラミング用語集【初級】

プログラミングの基礎概念、基本的な言語機能、入門レベルのアルゴリズムなど、初学者向けの重要な用語を学習できます

用語数統計

総用語数: 92 初級: 26 中級: 44 上級: 22

プログラミングについて

プログラミングは、コンピューターに指示を与えるためのコードを作成する技術です。現代のソフトウェア開発では、様々なプログラミング言語、開発手法、ツール、フレームワークが使用されています。このページでは、プログラミングに関する重要な用語を難易度別に整理し、体系的に学習できるようにしています。

プログラミング用語一覧

プログラミングに関する重要な用語を詳細解説付きで紹介

  • Python

    (パイソン) Python

    シンプルで読みやすい構文が特徴のプログラミング言語。Web開発、データ分析、機械学習、自動化など幅広い分野で使用されている。

    Pythonは、Guido van Rossumによって開発された高水準プログラミング言語で、「読みやすく、書きやすい」ことを重視した設計思想が特徴です。インデントによるブロック構造、豊富な標準ライブラリ、動的型付けシステムにより、初心者にも習得しやすい言語として人気を集めています。Web開発(Django、Flask)、データサイエンス(NumPy、Pandas、Matplotlib)、機械学習(scikit-learn、TensorFlow、PyTorch)、自動化・スクリプト作成など、多岐にわたる分野で活用されています。近年のAIブームにより、機械学習・深層学習の分野で特に注目され、Google、Netflix、Instagramなどの大手企業でも採用されています。インタープリター言語のため実行速度は比較的遅いものの、開発速度の速さと豊富なエコシステムにより、プロトタイピングから本格的な システム開発まで幅広く利用されています。

    例:

    • Django
    • Flask
    • NumPy
    • Pandas
    プログラミング言語 データ分析 機械学習 Web開発
  • Java

    (ジャバ) Java

    オブジェクト指向プログラミング言語。「Write Once, Run Anywhere」の理念で、一度書いたコードがどのプラットフォームでも動作する。企業システム開発で広く使用される。

    Javaは、Sun Microsystems(現Oracle)によって1995年に開発されたオブジェクト指向プログラミング言語で、現在でも世界中で最も広く使用されている言語の一つです。「Write Once, Run Anywhere(WORA)」の哲学に基づき、Java仮想マシン(JVM)上で動作するバイトコードにコンパイルされるため、WindowsやLinux、macOSなど異なるプラットフォーム間でのポータビリティが高いのが特徴です。強い型付けシステム、自動メモリ管理(ガベージコレクション)、豊富な標準ライブラリにより、堅牢で保守性の高いアプリケーション開発が可能です。Spring Framework、Hibernate、Apache Strutsなどの成熟したエコシステムを持ち、エンタープライズ分野では特に重要な地位を占めています。Android アプリ開発、Webアプリケーション(Spring Boot)、マイクロサービス、ビッグデータ処理(Apache Hadoop、Apache Spark)など幅広い分野で活用され、Oracle、Google、Netflix、Linkedinなど多くの大手企業で採用されています。近年ではJava 8以降でラムダ式やストリームAPIなどの関数型プログラミング機能も追加され、モダンな開発スタイルにも対応しています。

    例:

    • Spring Boot
    • Android
    • Maven
    • Gradle
    オブジェクト指向 エンタープライズ JVM クロスプラットフォーム
  • C#

    (シーシャープ) C#

    Microsoftが開発したオブジェクト指向プログラミング言語。.NET Frameworkの主要言語でWindowsアプリ開発に適している。

    C#(シーシャープ)は、Microsoftが開発したオブジェクト指向プログラミング言語です。.NET Framework/.NET Core上で動作し、Windowsアプリケーション、Webアプリケーション、ゲーム開発、モバイルアプリ開発など幅広い分野で使用されます。強い型付け、ガベージコレクション、豊富なライブラリを提供し、Java同様のクロスプラットフォーム性を持ちます。Visual Studio IDEとの統合が優れており、IntelliSense、デバッガー、プロファイラーなど開発効率を高めるツールが豊富です。Unity、Xamarin、ASP.NET、Blazorなどのフレームワークを通じて、ゲーム、モバイル、Web、デスクトップアプリの開発が可能です。

    例:

    • ASP.NET
    • Unity
    • Xamarin
    • WPF
    オブジェクト指向 .NET Windows Microsoft
  • Ruby

    (ルビー) Ruby

    まつもとゆきひろ氏が開発した動的プログラミング言語。「プログラマーの幸福」を重視した設計で、Web開発フレームワークRuby on Railsで有名。

    Rubyは、まつもとゆきひろ(Matz)氏により1995年に開発された動的プログラミング言語で、「プログラマーの幸福」を最重要視した設計思想が特徴です。「人間のための言語」として、直感的で読みやすい文法を持ち、コードの表現力と開発者の生産性を高めることを目的としています。オブジェクト指向設計を徹底しており、すべてがオブジェクトとして扱われ、メタプログラミング機能により柔軟で強力な抽象化が可能です。Ruby on Rails(RoR)フレームワークの登場により、Web開発分野で爆発的に普及し、「Convention over Configuration」や「DRY(Don't Repeat Yourself)」などの原則により、迅速なWebアプリケーション開発を実現しています。GitHub、Shopify、Airbnb、Twitter(初期)、Cookpadなど多くの有名サービスでRubyが採用されています。RubyGemsによるパッケージ管理システム、豊富なライブラリエコシステム、テスト駆動開発(TDD)文化の浸透により、品質の高いソフトウェア開発を支援します。近年ではRuby 3.0で静的解析ツール(RBS、TypeProf)や並行プログラミング(Ractor)などの機能も追加されています。

    例:

    • Ruby on Rails
    • Sinatra
    • RSpec
    • Capistrano
    動的言語 Web開発 Rails オープンソース
  • PHP

    (ピーエイチピー) PHP

    Web開発に特化したサーバーサイドスクリプト言語。HTMLに埋め込んで動的なWebページを作成でき、WordPressなど多くのCMSで使用される。

    PHP(PHP: Hypertext Preprocessor)は、1995年にRasmus Lerdorfによって開発されたWeb開発に特化したサーバーサイドスクリプト言語です。HTMLに直接埋め込んで記述できる手軽さと、動的なWebページ生成に必要な機能が充実していることから、Web開発の入門言語として広く普及しています。Apache、Nginx などの主要Webサーバーとの統合が容易で、Linux、Windows、macOS など様々なプラットフォームで動作します。MySQL、PostgreSQL、Oracleなど主要データベースとの連携が充実しており、データベース駆動のWebアプリケーション開発に適しています。WordPress(世界のWebサイトの40%以上)、Drupal、Joomlaなどの人気CMSや、Laravel、Symfony、CodeIgniterなどのモダンなフレームワークにより、小規模サイトから大規模エンタープライズアプリケーションまで幅広く対応できます。Facebook、Wikipedia、Slack、Mailchimp など多くの大手サービスでもPHPが活用されています。近年のPHP 7.x/8.x では大幅な性能向上、型宣言の強化、JITコンパイラの導入など、モダンな言語機能が追加されています。

    例:

    • Laravel
    • WordPress
    • Symfony
    • Composer
    Web開発 サーバーサイド CMS オープンソース
  • Go

    (ゴー) Go

    Googleが開発したシンプルで高速なプログラミング言語。並行処理に優れ、クラウドネイティブアプリケーション開発に適している。

    Go(ゴー)は、Googleが開発したオープンソースのプログラミング言語です。シンプルな構文、高速なコンパイル、優れた並行処理機能(goroutine、channel)を特徴とし、マイクロサービス、コンテナ技術、クラウドインフラストラクチャの開発に最適化されています。ガベージコレクション、静的型付け、クロスコンパイル機能を提供し、大規模なシステム開発でも高いパフォーマンスを発揮します。Docker、Kubernetes、Prometheus、InfluxDBなど多くのクラウドネイティブツールがGoで開発されており、DevOpsとインフラストラクチャ領域で特に人気が高まっています。

    例:

    • Docker
    • Kubernetes
    • Gin
    • Echo
    並行処理 クラウドネイティブ マイクロサービス 高性能
  • Kotlin

    (コトリン) Kotlin

    JetBrainsが開発したプログラミング言語。Javaとの100%互換性を持ち、Androidアプリ開発でGoogleが公式言語として採用。簡潔で安全なコードが書ける。

    Kotlinは、IntelliJ IDEAで知られるJetBrains社が2011年に開発したモダンなプログラミング言語で、2017年にGoogleがAndroid開発の公式言語として採用したことで注目を集めました。Java仮想マシン(JVM)上で動作し、既存のJavaコードとの100%相互運用性を持ちながら、より簡潔で安全な文法を提供します。null安全性、型推論、拡張関数、データクラス、コルーチンによる非同期プログラミングなど、現代的な言語機能を豊富に備えています。Android開発では、従来のJavaよりも少ないコード量で同等の機能を実装でき、NullPointerExceptionの発生を大幅に削減できます。Kotlin/Native により、JVMを必要としないネイティブバイナリの生成も可能で、iOS開発やデスクトップアプリケーション開発にも対応しています。また、Kotlin/JSによりJavaScriptにトランスパイルでき、フロントエンド開発でも利用できます。Spring FrameworkでのKotlinサポート、Ktor によるWebアプリケーション開発、Kotlin Multiplatform Mobile(KMM)によるクロスプラットフォーム開発など、用途が急速に拡大しています。Pinterest、Coursera、Postmates、Tinder などの企業でKotlinが本格採用されています。

    例:

    • Android
    • Spring Boot
    • Ktor
    • KMM
    JetBrains Android JVM null安全
  • Swift

    (スウィフト) Swift

    Appleが開発したプログラミング言語。iOS、macOSアプリ開発の主力言語で、Objective-Cの後継として位置づけられる。安全性と性能を両立している。

    Swiftは、Appleが2014年に発表したプログラミング言語で、iOS、macOS、watchOS、tvOSアプリケーション開発の主力言語として設計されました。Objective-Cの複雑さを解消し、より安全で表現力豊かな言語を目指して開発され、C言語やObjective-Cとの相互運用性を保ちながら、モダンなプログラミング言語の機能を提供します。強い型システム、Optional型によるnull安全性、型推論、関数型プログラミング機能、プロトコル指向プログラミングなどの特徴があります。LLVM コンパイラ技術により高いパフォーマンスを実現し、Playgroundsによる対話的な学習環境、SwiftUIによる宣言的UI開発、Combineによるリアクティブプログラミングなど、Apple エコシステムに最適化された開発体験を提供します。2015年にオープンソース化され、Linux環境でも動作するようになり、サーバーサイド開発(Vapor、Perfect)やクロスプラットフォーム開発への応用も進んでいます。App Store上の多くのアプリがSwiftで開発されており、Airbnb、LinkedIn、Kickstarter、Lyft などの企業でも採用されています。Swift Package Managerによるパッケージ管理、Swift for TensorFlowによる機械学習開発など、用途の拡大が続いています。

    例:

    • SwiftUI
    • UIKit
    • Vapor
    • Combine
    Apple iOS macOS モバイル開発
  • デバッグ

    (デバッグ) Debug

    プログラムの不具合(バグ)を発見し、修正する作業。開発において品質向上のための重要なプロセス。

    デバッグは、ソフトウェア開発において プログラムの不具合(バグ)を特定、分析、修正する体系的なプロセスで、高品質なソフトウェアを作成するために不可欠な作業です。1947年にGrace Hopperがコンピュータ内で実際の虫(bug)を発見したことが語源とされています。デバッガーツール(Visual Studio Debugger、GDB、Xcode Debugger)を使用してブレークポイントを設定し、変数の値を監視しながらプログラムの実行を段階的に追跡します。ログ出力、アサーション、単体テスト、統合テスト、プロファイリングなどの技法を組み合わせて効率的にバグを発見します。論理エラー、実行時エラー、コンパイルエラー、メモリリーク、デッドロック、競合状態など、様々な種類のバグに対してそれぞれ適切な対処法があります。現代の開発環境では、IDE の統合デバッガー、静的解析ツール(SonarQube、ESLint)、動的解析ツール(Valgrind、AddressSanitizer)により、バグの早期発見と予防が支援されています。リモートデバッグ、分散システムのデバッグ、モバイルアプリのデバッグなど、複雑な環境でのデバッグ技術も発達しています。効果的なデバッグスキルは、開発者の生産性と ソフトウェアの品質に直接的な影響を与える重要な能力です。

    例:

    • ブレークポイント
    • ステップ実行
    • ログ出力
    • プロファイリング
    品質管理 ツール エラー解決 開発プロセス
  • コンパイル

    (コンパイル) Compile

    高水準言語で書かれたソースコードを機械語やバイトコードに変換する処理。実行可能なプログラムを作成するための重要な工程。

    コンパイルは、人間が理解しやすい高水準プログラミング言語(C、C++、Java、C#など)で記述されたソースコードを、コンピュータが直接実行できる機械語やバイトコードに変換する処理です。コンパイラという専用のプログラムがこの変換を行い、構文解析、意味解析、最適化、コード生成の段階を経て実行可能ファイルを生成します。静的コンパイル(C、C++)では実行前に完全な機械語を生成し、動的コンパイル(Java、C#)では中間コード(バイトコード)を生成して実行時に最終的な機械語に変換します。Just-In-Time(JIT)コンパイルでは、実行時に必要な部分のみを動的にコンパイルして性能を向上させます。最適化機能により、実行速度の向上、メモリ使用量の削減、コードサイズの縮小が図られ、リリースビルドではデバッグ情報を除去して最適化を最大化します。Cross-compilingにより、異なるプラットフォーム向けのコードを生成でき、組み込みシステム開発やマルチプラットフォーム対応が可能になります。GCC、Clang、MSVC、Oracle JDK、.NET Compiler Platform(Roslyn)など、様々なコンパイラが存在し、それぞれが特定の言語や プラットフォームに最適化されています。エラー検出、警告表示、デバッグ情報の生成など、開発支援機能も重要な役割を果たしています。

    例:

    • GCC
    • Clang
    • MSVC
    • Java Compiler
    言語処理 最適化 実行形式 開発ツール
  • コンパイラ

    (コンパイラ) Compiler

    高級言語で書かれたソースコードを機械語に変換するソフトウェア。実行前に全体を一括変換する。

    コンパイラは、人間が理解しやすい高級言語のプログラムを、コンピュータが直接実行できる機械語に変換するソフトウェアです。基本情報技術者試験では、字句解析、構文解析、意味解析、最適化、コード生成の処理段階が重要です。インタープリタとの違い(実行時間、開発効率、エラー検出タイミング)、クロスコンパイラ、JIT(Just-In-Time)コンパイラ、プリプロセッサ、リンカ、ローダの役割も出題されます。

    例:

    • 字句解析
    • 構文解析
    • 最適化
    • 機械語変換
    基本情報 プログラミング 言語処理 ソフトウェア開発
  • プログラミング

    (プログラミング)

    コンピュータに指示を与えるためのプログラムを作成する技術。

    プログラミング(Programming)は、コンピュータに対して特定のタスクを実行させるための命令(プログラム)を作成する技術です。プログラマーは、プログラミング言語を使用してアルゴリズムを実装し、データ構造を設計し、ソフトウェアを構築します。現代のプログラミングでは、様々な言語(Python、Java、JavaScript、C++など)、開発手法(アジャイル、ウォーターフォール)、ツール(IDE、フレームワーク、ライブラリ)を駆使して効率的な開発を行います。問題解決能力、論理的思考、創造性が求められ、Web開発、モバイルアプリ、AI、ゲーム開発など幅広い分野で活用されています。継続的な学習と技術の進歩への対応が重要な職業分野です。

    例:

    • アルゴリズム設計
    • コーディング
    • デバッグ
    • テスト
    プログラミング 基本概念 技術 問題解決
  • プログラミング言語

    (プログラミング言語)

    コンピュータプログラムを作成するための人工言語。構文規則に従って命令を記述する。

    プログラミング言語(Programming Language)は、人間がコンピュータに指示を与えるために使用する人工言語です。各言語には独自の構文(シンタックス)と意味(セマンティクス)があり、特定の目的や用途に最適化されています。高水準言語(Python、Java、JavaScript)は人間にとって理解しやすく、低水準言語(アセンブリ、機械語)はハードウェアに近い制御が可能です。コンパイル言語(C++、Go)は事前に機械語に変換され、インタープリタ言語(Python、JavaScript)は実行時に解釈されます。オブジェクト指向、関数型、手続き型など様々なプログラミングパラダイムをサポートし、Web開発、データ分析、システムプログラミング、モバイル開発など、用途に応じて最適な言語を選択することが重要です。

    例:

    • Python
    • Java
    • JavaScript
    • C++
    プログラミング言語 構文 コンパイラ インタープリタ
  • 開発

    (開発)

    ソフトウェアやシステムを設計・構築・テストする一連のプロセス。

    ソフトウェア開発(Software Development)は、ユーザーのニーズを満たすソフトウェアシステムを企画、設計、実装、テスト、保守する体系的なプロセスです。要件定義、設計、コーディング、テスト、デプロイ、保守のライフサイクルを通じて品質の高いソフトウェアを創造します。アジャイル開発、ウォーターフォール開発、DevOps、スクラムなどの開発手法があり、プロジェクトの性質や要求に応じて適切な手法を選択します。チーム開発では、バージョン管理(Git)、継続的インテグレーション(CI/CD)、コードレビュー、自動テストなどの実践により、効率性と品質を両立させます。現代の開発では、クラウド、マイクロサービス、コンテナ技術、API設計など多様な技術を駆使して、スケーラブルで保守性の高いシステムを構築します。

    例:

    • 要件定義
    • 設計
    • 実装
    • テスト
    ソフトウェア開発 開発プロセス ライフサイクル 品質管理
  • 依存性注入

    (いぞんせいちゅうにゅう) Dependency Injection

    オブジェクトの依存関係を外部から注入する設計パターン。結合度を下げ、テストしやすく、柔軟性の高いコードを実現する。DIコンテナを使用することが多い。

    依存性注入(Dependency Injection)は、オブジェクトの依存関係を外部から注入する設計パターンで、制御の反転(IoC)の一種です。コンストラクタ注入、セッター注入、インターフェース注入の手法があります。Spring、Angular、ASP.NET CoreなどのフレームワークでDIコンテナが提供され、オブジェクトの生成と依存関係の管理を自動化します。結合度の低減、テスタビリティの向上、設定の外部化が実現できます。

    設計パターン 依存関係 テスタビリティ 制御の反転
  • ドメイン駆動設計

    (ドメインくどうせっけい) Domain-Driven Design

    複雑なソフトウェアの設計において、ドメイン(業務領域)の知識を中心に据えた設計手法。エンティティ、値オブジェクト、集約などの概念でモデリングする。

    ドメイン駆動設計(Domain-Driven Design, DDD)は、複雑なソフトウェアの設計において、ドメイン(業務領域)の知識を中心に据えた設計手法です。エンティティ、値オブジェクト、集約、リポジトリ、サービスなどの戦術的パターンと、境界づけられたコンテキスト、ユビキタス言語などの戦略的パターンがあります。ドメインエキスパートと開発者の密接な協業により、ビジネス要求を正確に反映したソフトウェアを構築します。

    設計手法 ドメインモデル 業務中心 複雑性管理
  • アスペクト指向

    (アスペクトしこう) Aspect-Oriented Programming

    ログ出力、セキュリティ、トランザクション処理など横断的関心事を分離するプログラミングパラダイム。AOPフレームワークにより実現される。

    アスペクト指向プログラミング(Aspect-Oriented Programming, AOP)は、ログ出力、セキュリティ、トランザクション処理、例外処理など、複数のクラスにまたがる横断的関心事(Cross-cutting Concerns)を分離するプログラミングパラダイムです。アスペクト、ジョインポイント、ポイントカット、アドバイスなどの概念を使用し、Spring AOP、AspectJなどのフレームワークで実装されます。コードの重複を削減し、関心事の分離を実現します。

    プログラミングパラダイム 横断的関心事 関心事の分離 コード分離
  • メタプログラミング

    (メタプログラミング) Metaprogramming

    プログラムがプログラムを操作・生成する技術。リフレクション、アノテーション、コード生成、マクロなどの手法で実装され、汎用性と保守性を向上させる。

    メタプログラミング(Metaprogramming)は、プログラムがプログラムを操作・生成する技術です。リフレクション(実行時の型情報取得)、アノテーション(メタデータ付与)、コード生成、マクロ、テンプレートなどの手法があります。フレームワーク開発、ORM、シリアライゼーション、テストツールなどで活用され、繰り返しコードの削減と汎用性の向上を実現します。ただし、デバッグの困難さやパフォーマンスへの影響に注意が必要です。

    プログラム生成 リフレクション 汎用性 自動化
  • 並行プログラミング

    (へいこうプログラミング) Concurrent Programming

    複数のタスクを同時または疑似同時に実行するプログラミング技法。スレッド、プロセス、非同期処理、アクターモデルなどの手法がある。

    並行プログラミング(Concurrent Programming)は、複数のタスクを同時または疑似同時に実行するプログラミング技法です。スレッド、プロセス、コルーチン、Promise/Future、async/await、アクターモデルなどの手法があります。共有リソースの排他制御(ミューテックス、セマフォ)、デッドロック回避、レースコンディション対策などの課題があります。マルチコアCPUの活用、応答性の向上、スループットの改善が期待できます。

    並行処理 マルチスレッド 非同期 パフォーマンス
  • コード生成

    (コードせいせい) Code Generation

    プログラムまたはツールが自動的にソースコードを生成する技術。テンプレートエンジン、コンパイラ、ORM、スキーマからの自動生成などで活用される。

    コード生成(Code Generation)は、プログラムまたはツールが自動的にソースコードを生成する技術です。テンプレートエンジン、DSL(ドメイン固有言語)、スキーマ駆動開発、モデル駆動開発などの手法があります。データベーススキーマからのEntity生成、OpenAPI仕様からのクライアントコード生成、GraphQL SchemaからのType生成などが一般的です。開発速度の向上、ヒューマンエラーの削減、一貫性の保証が利点ですが、生成されたコードの理解と保守が課題となります。

    自動生成 テンプレート 開発効率 一貫性
  • 静的解析

    (せいてきかいせき) Static Analysis

    プログラムを実行せずにソースコードを分析してバグ、セキュリティ脆弱性、コード品質の問題を検出する技術。リンター、タイプチェッカーなども含む。

    静的解析(Static Analysis)は、プログラムを実行せずにソースコードを分析してバグ、セキュリティ脆弱性、コード品質の問題を検出する技術です。構文解析、データフロー解析、制御フロー解析、型チェックなどの手法があります。ESLint、SonarQube、Checkmarx、TypeScript、静的型システムなどのツールで実装されます。開発の早い段階で問題を発見でき、セキュリティ向上、品質改善、保守性向上に貢献します。

    コード解析 品質管理 バグ検出 セキュリティ
  • サーバーレスアーキテクチャ

    (サーバーレスアーキテクチャ) Serverless Architecture

    サーバー管理を抽象化し、関数単位でコードを実行するアーキテクチャ。FaaS(Function as a Service)とBaaSを組み合わせて構築する。

    サーバーレスアーキテクチャは、サーバーの管理を抽象化し、関数単位でコードを実行するクラウドベースのアーキテクチャです。FaaS(Function as a Service)とBaaS(Backend as a Service)を組み合わせ、AWS Lambda、Azure Functions、Google Cloud Functionsで実装されます。自動スケーリング、従量課金、インフラ管理不要の利点がありますが、コールドスタート、ベンダーロックイン等の課題もあります。

    応用情報試験 クラウド FaaS スケーリング
  • ペアプログラミング

    (ペアプログラミング) Pair Programming

    2人の開発者が1台のコンピュータで協力してプログラミングする開発手法。ドライバーとナビゲーターの役割を交代しながら作業する。

    ペアプログラミング(Pair Programming)は、2人の開発者が1台のコンピュータで協力してプログラミングする開発手法です。ドライバー(実際にコードを書く人)とナビゲーター(設計を考え、レビューする人)の役割を定期的に交代します。コードの品質向上、知識共有、バグの早期発見、スキル向上などの効果がありますが、コストの増加や相性の問題もあります。

    応用情報試験 協働開発 コードレビュー スキル向上
  • コードレビュー

    (コードレビュー) Code Review

    他の開発者がコードを検査し、品質向上とバグ発見を行うプロセス。プルリクエストベースのレビューが一般的で、チーム全体の技術力向上にも寄与する。

    コードレビューは、他の開発者がコードを体系的に検査し、バグの発見、品質の向上、チーム内の知識共有を行うプロセスです。GitHub、GitLab、Bitbucketのプルリクエスト機能を使ったレビューが一般的で、構文チェック、ロジック検証、セキュリティ検査、パフォーマンス評価、可読性確認などを行います。品質向上、技術力向上、属人化防止の効果があります。

    応用情報試験 品質管理 チーム開発 知識共有
  • モックオブジェクト

    (モックオブジェクト) Mock Object

    テスト時に実際の依存関係を模倣する偽のオブジェクト。外部システムやDBに依存しない独立したユニットテストを可能にする。

    モックオブジェクト(Mock Object)は、テスト時に実際の依存関係(データベース、外部API、ファイルシステムなど)を模倣する偽のオブジェクトです。スタブ、モック、フェイク、ダミーなどの種類があり、Mockito、Jest、Sinon.jsなどのフレームワークで作成されます。テストの独立性、実行速度の向上、外部依存の排除を実現し、TDDやユニットテストで重要な役割を果たします。

    応用情報試験 テスト技法 依存関係分離 ユニットテスト
  • 設定管理

    (せっていかんり) Configuration Management

    アプリケーションの設定を外部化し、環境ごとに適切な設定値を管理する手法。環境変数、設定ファイル、設定サーバーなどを使用する。

    設定管理(Configuration Management)は、アプリケーションの設定情報を外部化し、開発・テスト・本番環境ごとに適切な設定値を管理する手法です。環境変数、プロパティファイル、YAML、JSON、設定サーバー(Spring Cloud Config、Consul)などを使用し、The Twelve-Factor Appの原則に従って実装されます。セキュリティ、可搬性、運用効率の向上を実現します。

    応用情報試験 運用管理 環境分離 外部化