IT用語辞典

アジャイルソフトウェア開発は、2001年のアジャイル宣言に基づく開発手法です。「個人とその対話」「動くソフトウェア」「顧客との協調」「変化への対応」を重視し、従来のウォーターフォール型に対して、短期間での反復開発（イテレーション）と継続的な改善を行います。

スクラムは、プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発チームの3つの役割と、スプリント、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブなどのイベントで構成されます。透明性、検査、適応の3本柱により、継続的な改善を実現します。

カンバンは、トヨタ生産方式から発展したリーンな開発手法です。カンバンボードを使用してタスクの流れを可視化し、WIP（Work In Progress）制限により同時進行作業を適切に管理します。継続的な改善と効率化を重視します。

TDDは、Kent Beckによって提唱された開発手法で、「Red-Green-Refactor」のサイクルを繰り返します。失敗するテストを書き（Red）、テストが通る最小限のコードを実装し（Green）、コードを改善する（Refactor）ことで、品質の高いコードを作成します。

BDDは、Dan Northによって提唱された開発手法で、「Given-When-Then」形式でシナリオを記述します。ビジネス要件を自然言語で表現し、開発者、テスター、ビジネスアナリストが共通の理解を持てるようにします。

CI/CDは、開発からデプロイまでのプロセスを自動化する手法です。CIでは頻繁なコード統合と自動テストを実行し、CDでは本番環境への自動デプロイを行います。Jenkins、GitHub Actions、GitLab CIなどのツールで実現されます。

Gitは、Linus Torvaldsによって開発された分散型バージョン管理システムです。ブランチとマージの機能により、並行開発を効率的に行え、コミット、プッシュ、プルなどの操作でコードの変更を管理します。GitHub、GitLab、Bitbucketなどのプラットフォームで広く使用されています。

プルリクエスト（GitHubの場合）またはマージリクエスト（GitLabの場合）は、ブランチの変更を本流に統合する前に、コードレビューとディスカッションを行うためのメカニズムです。品質向上と知識共有に重要な役割を果たします。

ペアプログラミングは、エクストリームプログラミング（XP）の実践の一つで、コードの品質向上、知識共有、集中力の向上を目的としています。リアルタイムでのコードレビューにより、バグの早期発見と設計の改善が期待できます。

コードレビューは、プルリクエストやマージリクエストの仕組みを使用して、コードの品質、可読性、保守性を確認する重要なプロセスです。コーディング規約の遵守、ロジックの妥当性、セキュリティの確認などを行います。

リファクタリングは、Martin Fowlerによって体系化された、既存のコードの設計を改善する技術です。機能追加とは別に、コードの構造改善に専念することで、長期的な開発効率と品質を向上させます。テストが重要な役割を果たします。

技術的負債は、Ward Cunninghamによって提唱された概念で、適切な設計や実装を先送りしたことによる将来のコストを金融の負債に例えたものです。計画的な技術的負債と意図しない技術的負債があり、適切な管理が重要です。

デプロイメントは、ソフトウェアの配信プロセス全体を指し、ビルド、テスト、本番環境への配置、設定、起動などの作業を含みます。手動デプロイメントから自動デプロイメント（CI/CD）への移行により、効率性と信頼性が向上します。

ウォーターフォールモデルは、Winston Royceによって提唱された古典的な開発手法です。各工程の成果物を明確に定義し、段階的に進むため、計画性と予測可能性が高いですが、変更への対応が困難という課題があります。

MVPは、リーンスタートアップ手法の中核概念で、最小限の労力で最大限の学習を得ることを目指します。早期のユーザー検証により、市場ニーズの確認と製品方向性の調整を効率的に行えます。

スプリントは、スクラムフレームワークの中核となる時間枠で、一定期間内に価値のあるプロダクトの増分を作成します。スプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブの4つのイベントを含みます。

レトロスペクティブは、チームの継続的改善のための重要なイベントです。「何がうまくいったか」「何が問題だったか」「次に何を改善するか」を話し合い、チームの効率性と満足度を向上させます。

デイリースクラムは、15分以内の短時間で行われるチーム同期のためのミーティングです。「昨日何をしたか」「今日何をするか」「障害はあるか」の3つの質問を軸に、チームの透明性と協調を促進します。

エクストリームプログラミング（XP）は、プログラミングの良い実践を「極限まで」押し進めるアジャイル手法です。コミュニケーション、シンプルさ、フィードバック、勇気、尊重の5つの価値観に基づき、12の実践を定義しています。

リーンソフトウェア開発は、Mary PoppendieckとTom Poppendieckによって提唱された、製造業のリーン原則をソフトウェア開発に適用したアプローチです。7つの原則により、価値の最大化と無駄の最小化を目指します。