データサイエンス用語集【初級】
データ分析の基礎概念、基本的な統計手法、入門レベルのビッグデータ技術など、初学者向けの重要な用語を学習できます
データサイエンスについて
データサイエンスは、データから有用な情報や知見を抽出する学問領域です。統計学、機械学習、プログラミング、ドメイン専門知識を組み合わせ、ビッグデータからビジネスの意思決定を支援する洞察を得ることを目的としています。
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データサイエンス用語一覧
データサイエンスに関する重要な用語を詳細解説付きで紹介
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データサイエンス
(データサイエンス) Data Science 初級データから価値のある知見を得るための学問分野。統計学、機械学習、プログラミングなどを組み合わせて、データ駆動型の意思決定を支援する。データサイエンス(Data Science)は、大量のデータから価値のある知見を得るための学際的な学問分野です。統計学、機械学習、プログラミング、データベース、ドメイン知識などを組み合わせて、データ駆動型の意思決定を支援します。データの収集、前処理、分析、可視化、解釈というプロセスを通じて、ビジネスや研究における問題解決を行います。
例: 顧客分析, 売上予測, 品質改善, パーソナライゼーション -
アルゴリズム
(アルゴリズム) Algorithm 初級問題を解決するための手順や方法を数学的に表現したもの。データサイエンスや機械学習では予測や分類のために使用される。アルゴリズム(Algorithm)は、問題を解決するための手順や方法を数学的に表現したもので、データサイエンスの中核です。線形回帰、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、SVMなど様々な種類があり、データの特性や目的に応じて適切なアルゴリズムを選択します。
例: 線形回帰, ロジスティック回帰, ランダムフォレスト, SVM -
データセット
(データセット) Dataset 初級分析や機械学習に使用するためのデータの集合。訓練データ、テストデータ、検証データに分けて使用する。データセット(Dataset)は、分析や機械学習に使用するためのデータの集合で、データサイエンスプロジェクトの基盤となります。訓練データ(モデルの学習用)、テストデータ(性能評価用)、検証データ(モデル選択用)に分けて使用し、データの品質が結果に大きく影響します。
例: 訓練データ, テストデータ, 検証データ, CSVファイル -
分散
(ぶんさん) Variance 初級データのばらつきを表す統計指標。平均値からの偏差の二乗の平均で計算され、データの範囲や一様性を評価する。分散(Variance)は、データのばらつき(散らばり具合)を表す統計指標で、データサイエンスの基本概念です。各データと平均値の差の二乗の平均で計算され、値が大きいほどデータがばらついていることを意味します。標準偏差は分散の平方根で、元のデータと同じ単位で表されます。
例: 標準偏差, 平均, ばらつき, 正規化 -
特徴量
(とくちょうりょう) Feature 初級機械学習モデルの入力となるデータの各属性や変数。特徴量の選択や変換がモデルの性能に大きく影響する。特徴量(Feature)は、機械学習モデルの入力となるデータの各属性や変数で、モデルの予測性能に直接影響します。特徴量エンジニアリング(選択、変換、作成)はデータサイエンスの重要なプロセスで、数値データ、カテゴリカルデータ、テキストデータなど様々なタイプがあります。
例: 特徴量エンジニアリング, 特徴量選択, 正規化, カテゴリカル変数 -
データ
(データ) Data 初級分析や処理の対象となる情報や事実の集合。数値、文字、画像、音声など様々な形式で表現される基本的な情報単位。データ(Data)は、観察、測定、記録された事実や情報の集合で、データサイエンスの基本構成要素です。数値データ(量的データ)、カテゴリデータ(質的データ)、時系列データ、地理データ、テキストデータ、画像データ、音声データなど様々な形式があります。生データから有用な知見を抽出することがデータサイエンスの目的です。
例: 売上数値, 顧客情報, ログファイル, センサー値 -
変数
(へんすう) Variable 初級データの特性や属性を表す項目。年齢、性別、収入など、観測対象の特徴を記録するための要素。変数(Variable)は、データセット内の各列に対応し、観測対象の特性や属性を表す項目です。量的変数(連続変数・離散変数)と質的変数(名義変数・順序変数)に分類され、独立変数(説明変数)と従属変数(目的変数)の関係性を理解することが統計分析の基本です。変数の性質により適用できる統計手法が決まります。
例: 年齢, 性別, 収入, 満足度, 購入回数 -
観測値
(かんそくち) Observation 初級データセット内の個々の記録や行。一つの対象について複数の変数を測定した結果の集合。観測値(Observation)は、データセットの各行に対応し、一つの観測対象(個人、企業、商品など)について測定されたすべての変数の値を含む記録です。例えば顧客データベースでは、一人の顧客の年齢、性別、収入、購入履歴などが一つの観測値を構成します。統計分析では、観測値の数(サンプルサイズ)が結果の信頼性に大きく影響します。
例: 1人の顧客データ, 1日の売上記録, 1つの商品情報 -
データ型
(データがた) Data Type 初級データの性質による分類。数値型、文字列型、論理型、日付型など、データの種類に応じた取り扱い方法を決める。データ型(Data Type)は、データの性質と取り扱い方法を定義する分類システムです。数値型(整数・小数)、文字列型(テキスト)、論理型(真偽値)、日付時刻型、カテゴリ型などがあり、プログラミングやデータベースでの処理方法が決まります。適切なデータ型の理解は、効率的なデータ処理と正確な分析の基盤となります。
例: 数値型(123), 文字列型("名前"), 論理型(True/False), 日付型 -
平均値
(へいきんち) Mean 初級すべてのデータ値の合計を個数で割った代表値。データの中心傾向を表す最も基本的な統計量。平均値(Mean)は、データセット内のすべての値を足し合わせて個数で割った値で、算術平均とも呼ばれます。データの中心傾向を表す最も基本的な統計量ですが、外れ値の影響を受けやすいという特徴があります。中央値(Median)や最頻値(Mode)と合わせて使用することで、データの分布をより正確に理解できます。
例: テスト平均点, 平均年収, 平均気温, 平均売上 -
中央値
(ちゅうおうち) Median 初級データを大きさ順に並べたときの中央の値。外れ値の影響を受けにくい頑健な代表値。中央値(Median)は、データを小さい順(または大きい順)に並べたときに中央に位置する値です。データ数が奇数の場合は真ん中の値、偶数の場合は中央2つの値の平均となります。外れ値の影響を受けにくいため、収入分布のように一部に極端に大きい値が含まれるデータの代表値として平均値より適切な場合があります。
例: 年収の中央値, テスト中央点, 企業規模の中央値 -
最頻値
(さいひんち) Mode 初級データセット内で最も頻繁に現れる値。カテゴリカルデータの代表値としてよく使用される。最頻値(Mode)は、データセット内で最も多く出現する値です。カテゴリカルデータ(性別、血液型、商品カテゴリなど)の代表値として特に有用で、数値データでも使用できます。データに複数の最頻値がある場合は多峰性(マルチモーダル)と呼ばれ、データの分布特性を理解する手がかりとなります。
例: 最も多い血液型, 人気商品, 最頻年齢層 -
標準偏差
(ひょうじゅんへんさ) Standard Deviation 初級データのばらつき(散らばり具合)を表す統計量。分散の平方根で、データと同じ単位で表現される。標準偏差(Standard Deviation)は、データがどの程度平均値から離れて散らばっているかを示す統計量です。分散の平方根として計算され、元のデータと同じ単位で表現されるため解釈しやすいのが特徴です。標準偏差が小さければデータは平均値周辺に集中し、大きければ広く散らばっていることを意味します。品質管理、リスク評価、成績評価などで重要な指標です。
例: 成績のばらつき, 品質の安定性, 価格変動幅 -
サンプリング
(サンプリング) Sampling 初級母集団から一部の標本を抽出すること。全体調査が困難な場合に、代表的なサンプルを用いて母集団の特性を推定する。サンプリング(Sampling)は、研究対象となる母集団全体から一部の標本(サンプル)を抽出する手法です。単純ランダムサンプリング、層別サンプリング、クラスターサンプリング、系統サンプリングなどの手法があり、適切な抽出方法により母集団の特性を効率的に推定できます。調査コストの削減と実行可能性の確保において重要な技術です。
例: 世論調査, 品質検査, 市場調査, 臨床試験 -
アンケート調査
(アンケートちょうさ) Survey Research 初級質問票を用いて対象者の意見、態度、行動などの情報を収集するデータ収集手法。定量的・定性的データの両方を取得可能。アンケート調査(Survey Research)は、標準化された質問票を用いて多数の回答者から体系的に情報を収集するデータ収集手法です。選択式質問(定量データ)と自由記述質問(定性データ)を組み合わせ、対象者の意見、態度、行動、属性などを測定します。Webアンケート、郵送調査、面接調査、電話調査などの実施方法があり、市場調査、社会調査、顧客満足度調査などで広く活用されています。
例: 顧客満足度調査, 世論調査, 市場調査, 従業員調査 -
実験
(じっけん) Experiment 初級原因と結果の関係を調べるため、条件を制御して行う科学的手法。変数を意図的に操作して効果を測定する。実験(Experiment)は、原因と結果の因果関係を科学的に検証するために、研究者が条件を制御して行う調査手法です。独立変数(原因)を意図的に操作し、従属変数(結果)への影響を測定します。ランダム化比較試験(RCT)、A/Bテスト、ラボ実験、フィールド実験などがあり、医学、心理学、マーケティング、製品開発などで因果関係の証明に使用されます。
例: 薬効試験, A/Bテスト, 心理学実験, 製品テスト -
データソース
(データソース) Data Source 初級データの出所や提供元。データベース、ファイル、API、センサー、調査など、分析に使用するデータの供給源。データソース(Data Source)は、分析に使用するデータの出所や供給源です。内部データソース(自社データベース、売上システム、ログファイル)と外部データソース(政府統計、市場調査データ、SNS、気象データ)に分類されます。データの品質、信頼性、更新頻度、アクセス方法はソースによって異なるため、適切な選択と評価が重要です。
例: 販売データベース, Webログ, SNS, 政府統計, センサー -
傾向
(けいこう) Trend 初級データが時間とともに示す一定の方向性や変化パターン。上昇、下降、横ばいなどの長期的な動きを表す。傾向(Trend)は、データが時間の経過とともに示す一定の方向性や変化パターンです。上昇トレンド、下降トレンド、横ばいトレンドに分類され、季節変動や循環的変動とは区別される長期的な変化を指します。売上分析、株価分析、人口統計、気候変動など、時系列データの分析において重要な概念で、将来予測の基礎となります。
例: 売上の上昇傾向, 人口減少傾向, 気温上昇トレンド -
パターン
(パターン) Pattern 初級データ内に存在する規則性や特徴的な構造。繰り返し現れる特徴や関係性を指し、データ分析の重要な発見対象。パターン(Pattern)は、データ内に存在する規則性、構造、または特徴的な配置です。時間的パターン(季節性、周期性)、空間的パターン(地理的分布)、関係性パターン(相関、因果関係)、分類パターン(グループ特性)などがあります。パターン認識により、データの背後にある法則を発見し、予測モデルの構築や意思決定の改善に活用できます。
例: 季節パターン, 購買パターン, 行動パターン, 故障パターン -
関係性
(かんけいせい) Relationship 初級データの変数間に存在する関連や影響。正の関係、負の関係、無関係などがあり、分析の重要な着眼点となる。関係性(Relationship)は、データ内の異なる変数間に存在する関連や相互作用です。正の関係(一方が増えると他方も増える)、負の関係(一方が増えると他方が減る)、無関係(関連性なし)、非線形関係(曲線的関係)などがあります。散布図、相関係数、回帰分析などにより関係性を可視化・定量化し、ビジネス戦略や科学研究の洞察を得ます。
例: 価格と売上, 広告費と認知度, 気温と売上 -
洞察
(どうさつ) Insight 初級データ分析から得られる新たな理解や発見。表面的な事実を超えて、ビジネスや研究に価値をもたらす深い理解。洞察(Insight)は、データ分析を通じて得られる新たな理解、発見、または深い知見です。単なる数値やグラフの読み取りを超えて、「なぜそうなるのか」「何を意味するのか」「どう活用すべきか」という本質的な理解を含みます。効果的な洞察は、ビジネス戦略の改善、問題解決、新しい機会の発見に直結し、データサイエンスの最終的な価値を生み出します。
例: 顧客行動の理解, 市場機会の発見, 効率化ポイント -
正確性
(せいかくせい) Accuracy 初級データや分析結果が真の値にどれだけ近いかを示す品質指標。測定誤差や入力ミスが少ない状態。正確性(Accuracy)は、データや測定値、分析結果が真の値(実際の値)にどれだけ近いかを示すデータ品質の重要な指標です。入力エラー、測定器の誤差、システムの不具合などにより正確性が損なわれます。高い正確性を確保するには、データ検証、品質チェック、多重確認、自動化などの対策が必要で、信頼性の高い分析結果を得るための基盤となります。
例: 測定値の正確性, 入力データの正確性, 予測の正確性 -
完全性
(かんぜんせい) Completeness 初級データセットに欠損値や抜けがない状態。必要なデータがすべて揃っているかを示すデータ品質の指標。完全性(Completeness)は、データセットに必要なデータがすべて含まれ、欠損値や未入力が最小限である状態を示すデータ品質指標です。不完全なデータは分析結果の信頼性を低下させ、偏った結論を導く可能性があります。完全性を向上させるには、データ収集プロセスの改善、必須項目の設定、欠損値の適切な処理(補完・除外)などの対策が重要です。
例: 顧客情報の欠損なし, 全期間のデータ収集, 必須項目の入力 -
一貫性
(いっかんせい) Consistency 初級データが論理的な矛盾なく統一された形式で記録されている状態。同じ情報が異なる形式で記録されることなく整合性が保たれている。一貫性(Consistency)は、データが論理的な矛盾なく統一された形式とルールで記録されている状態を示すデータ品質指標です。日付形式の統一、単位の統一、命名規則の統一、データ型の統一などが含まれます。一貫性の欠如は、データ統合時のエラーや誤った分析結果を引き起こすため、データ標準化、品質ルールの定義、自動検証などの対策が重要です。
例: 日付形式統一, 単位統一, 命名規則, データ型統一 -
信頼性
(しんらいせい) Reliability 初級データや分析結果に対する信頼の度合い。同じ条件で測定や分析を繰り返した際の結果の安定性や再現性。信頼性(Reliability)は、データの収集方法、分析手法、結果の解釈に対する信頼の度合いを示します。測定の再現性(同じ条件で同じ結果が得られる)、内的整合性(関連する項目間の一貫性)、検査者間信頼性(異なる人が同じ結果を得る)などの観点があります。信頼性の高いデータと分析により、確実な意思決定と科学的根拠に基づく結論を得ることができます。
例: 測定の再現性, 分析の安定性, 結果の一貫性 -
表計算ソフト
(ひょうけいさんソフト) Spreadsheet Software 初級表形式でデータを管理・計算するソフトウェア。Excel、Google Sheetsなどがあり、基本的なデータ分析と可視化が可能。表計算ソフト(Spreadsheet Software)は、行と列で構成された表形式でデータを管理・処理するアプリケーションです。Microsoft Excel、Google Sheets、LibreOffice Calcなどがあり、数式計算、グラフ作成、ピボットテーブル、基本的な統計分析機能を提供します。プログラミング知識なしでデータ分析を始められるため、ビジネスユーザーにとって重要なツールです。
例: Microsoft Excel, Google Sheets, 数式計算, グラフ作成 -
グラフ
(グラフ) Graph/Chart 初級データを視覚的に表現するための図表。棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、散布図など、データの特性に応じて選択する。グラフ(Graph/Chart)は、数値データを視覚的に表現し、データの傾向、比較、関係性を直感的に理解できるようにする図表です。棒グラフ(カテゴリ比較)、折れ線グラフ(時系列変化)、円グラフ(構成比)、散布図(関係性)、ヒストグラム(分布)など、データの性質と分析目的に応じて最適なグラフを選択することが重要です。
例: 棒グラフ, 折れ線グラフ, 円グラフ, 散布図, ヒストグラム -
プライバシー
(プライバシー) Privacy 初級個人のプライベートな情報や活動が他者に知られることなく保護される権利。データサイエンスにおける重要な倫理的考慮事項。プライバシー(Privacy)は、個人の私的情報や活動が本人の同意なく他者に開示・利用されることから保護される基本的権利です。データサイエンスでは、個人情報の匿名化、データの暗号化、アクセス制御、利用目的の明確化などによりプライバシーを保護します。GDPR、個人情報保護法などの法規制も考慮し、倫理的なデータ活用を行うことが重要です。
例: 個人情報保護, 匿名化, データ暗号化, 同意取得 -
バイアス
(バイアス) Bias 初級データ収集や分析過程で生じる系統的な偏り。客観的な結果を歪める要因となるため、認識と対策が重要。バイアス(Bias)は、データ収集、分析、解釈の過程で生じる系統的な偏りや歪みです。サンプリングバイアス(標本の偏り)、確認バイアス(自分の信念に合致する情報を重視)、選択バイアス(特定の条件の過大評価)、生存者バイアス(成功例のみに注目)などがあります。バイアスを認識し、適切な対策により客観的で公平な分析を行うことがデータサイエンスの重要な責務です。
例: サンプリングバイアス, 確認バイアス, 選択バイアス